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フィギュアスケートの音楽会2017

投稿日:2017年12月09日 10:30

今週は「フィギュアスケートの音楽会2017」。フィギュアスケートではふつう、録音に合わせて選手が演技をしますが、今回はそれを逆にして、演技の映像に合わせてオーケストラが生演奏をするという趣向の音楽会でした。
 なにしろ演技にぴたりと音楽が同期しなければいけませんから大変です。演奏と映像がずれるのを防ぐために、奏者がイヤホン経由で映像に同期したカウントを聞きながら、これに合わせるという複雑な方法をとっていました。ということは、指揮者の三ツ橋敬子さんは、目で楽譜と映像を確認し、耳でカウントとオーケストラの演奏を聴きながら、棒を振っていたわけです。脳内はフル回転だったと思いますが、これは離れ技でしょう。
 フィギュアスケートの音楽といえば、原曲の大胆なアレンジも特徴です。演技の構成や長さの規定に合わせるという必然があってのことなのでしょう、原曲をカットしたりつなげたり、順番を変えたり、いろいろな工夫が施されています。宇野昌磨選手のヴィヴァルディ「冬」の構成がおもしろかったですよね。第3楽章ではじまって、いつのまにか第1楽章にジャンプしているという思い切った構成なのですが、演技のストーリーに沿っているからでしょうか、映像を見ながら聴くと編曲に説得力があります。
 ちなみにこの曲にはおそらく作曲者自身が用意したと思われるソネット(詩)が残されています。「冬」の第3楽章には氷の上を歩く場面が描かれていますので、フィギュアスケートに使われるのは納得です。
 最後はゲストの小塚崇彦さんが世界選手権で銀メダルを獲得した際の曲、リストのピアノ協奏曲第1番。楽曲自体に圧倒的な迫力があって、アスリート的な要素を感じさせます。鍵盤と銀盤の超絶技巧が見事に一体化していました。

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アジアの楽器を楽しむ音楽会

投稿日:2017年12月02日 10:30

これほどたくさんの民族楽器が一堂に会する場面を見る機会はまずありません。今週は「アジアの楽器を楽しむ音楽会」。アジアのさまざまな国と地域から32名の奏者、36種類の伝統楽器が集まって、「ONE ASIA クラシック・オーケストラ」が編成されました。楽器の種類は一般的な西洋楽器のオーケストラよりずっと多いことになります。これだけ多彩な楽器を使って、ひとつの音楽を演奏するという発想がユニークです。
 珍しい楽器がたくさん登場しましたが、とりわけ異彩を放っていたのがベトナムのダン・バウ。一本しかない弦を指で触り、もう片方の手で弦の張力を変えながら音程をコントロールするという独特の演奏法が用いられていました。音色もとても神秘的。なんとなく電子楽器のテルミンをほうふつさせるのがおもしろいですね。
 楽器の違いに加えて、目を奪われたのは色とりどりの民族衣装です。アジアの広さ、多様性を感じずにはいられません。
 その一方で、韓国のカヤグムと日本の箏などのように、お互いのよく似たところも感じます。地理的な近さから似た楽器があるのは自然なこと。そもそも楽器の発音機構は西洋楽器とそれほど違うわけでもないようです。弦をはじいたりこすったりして音を出す弦楽器は、西洋楽器で言えばヴァイオリンやギターの親戚ともいえるでしょう。竹などを使った木製の管楽器でリードが付くタイプと付かないタイプがあるのは、オーボエやリコーダーを連想させます。木や金属、皮を叩く多種多様な打楽器があるのも、西洋の楽器と同じ。アジアの民族楽器であっても、西洋の楽器と同じく、おおむね弦楽器、管楽器、打楽器に大別できるようです。
 文化背景が違っても、人間の考えることは意外と変わらないんだな。そんなことも感じました。

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楽器を知る休日~ギター編

投稿日:2017年11月25日 10:30

今週はギターの村治佳織さん、マリンバの塚越慎子さん、ハープの山宮るり子さんの3人の音楽家をお招きしました。ギターとハープは弦をはじく撥弦楽器、マリンバは打楽器で、いずれも音が減衰するタイプの楽器。それぞれに似たところもあれば、違うところもあって、楽器事情の違いがおもしろかったですよね。
 こうして比べてみると、ギターの機動力は際立っています。塚越さんもおっしゃっていたようにギターは運搬が楽! しかもギター一台あれば、いろいろなジャンルの音楽が演奏できてしまいます。歴史のある楽器ですから、レパートリーは豊富。クラシックもポピュラー音楽も民族音楽も、さらには古楽も現代音楽も、全方位にわたって名曲がたくさん用意されている点で、ギターほど恵まれた楽器はほかにないかもしれません。
 マリンバは20世紀になってから発展した楽器ですので、この楽器のために書かれた古い音楽がありません。その分、新しい作品がたくさんあるという言い方もできるでしょう。多くの奏者たちが新作や編曲を依頼して、レパートリーを開拓してきました。大きな音から小さな音まで出せる幅広いダイナミズムを持つのが強み。オーケストラのなかに入っても、マリンバは埋没することなく存在感を放ちます。この点は音の小さなギターとは対照的です。
 ハープの場合、楽器そのものは古代からあることはあるのですが、現在のような半音階を演奏できるペダル・ハープが発達したのは比較的最近のことです。ペダルで半音階を操作する現在の原型といえるハープを19世紀初頭に発明したのは、フランスのエラールでした。エラールの名をピアノメーカーとしてご記憶の方もいるかと思いますが、あのエラール一族がハープの発展に貢献したのです。
 それにしてもハープに7つものペダルがあったとは。一見、優雅なハープの演奏姿ですが、足元はペダル操作に大忙し。「優雅に泳ぐ白鳥も水面下では必死に足を動かしている」という比喩を思い出します。

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アーク・ノヴァから生まれる音楽会

投稿日:2017年11月18日 10:30

今週は先週に引き続いて移動式コンサートホール「アーク・ノヴァ」で収録が行われました。東京ミッドタウンの芝生広場に開設されたこのアーク・ノヴァ、まるで臓器のような独特の形状をしていますが、コンサートホールとして設計されただけあって、内部では適度な残響が得られるようになっています。
 この響きが生かされていたのが、藤原道山さんら5人の尺八奏者による伝統曲「鶴の巣籠」。各奏者がそれぞれ別の場所から登場し、演奏しながら舞台へと移動することで、会場内に立体的な音響空間を作り出していました。こういった試みは現代音楽などでもありますが、アーク・ノヴァのようなモダンな空間に尺八の伝統曲を組み合わるという発想はとても新鮮です。
 藤原道山さんと松永貴志さんのデュオによるチック・コリアの「スペイン」にも驚きました。まさか尺八であの曲を演奏できるとは! 尺八とピアノの音色は一見すると異質な組合せなのですが、アーク・ノヴァの非日常的な空間では両者の間に調和が感じられてしまうのが不思議なところ。
 演奏中になんどか藤原道山さんが片足を軽く上げながら一瞬下を向く場面がありました。「ん、これは尺八流の感極まったというアクションなのかな?」と思いきや、実はこれ、尺八の先を腿を使ってふさいでいたんだそうです。通常の奏法ではどうしても出ない音があるので、管の先をふさいで出すのだとか。そんな超絶技巧があったんですね。松永さんのピアノも最高にカッコよかったです。全身ゴールドの衣装がまぶしかった!
 石丸さんが「この道」「赤とんぼ」を歌う場面で説明されていたように、ルツェルン・フェスティバル芸術総監督ミヒャエル・ヘフリガーさんのお父さんは、あの世界的な名テノールのエルンスト・ヘフリガー。日本との縁が深く、90年代前半にリリースされたアルバム「ドイツ語で歌う日本の歌」は一世を風靡しました。

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動くホール アーク・ノヴァの音楽会

投稿日:2017年11月11日 10:30

今年、9月19日から10月4日にかけて東京ミッドタウンの芝生広場に、移動式コンサートホール「アーク・ノヴァ」が設置されました。一見、コンサートホールには見えませんから、初めて見た人は「いったいなにが建ったのだろう?」と不思議に思われたかもしれません。
 もともとこのアーク・ノヴァは東日本大震災の復興支援のために、スイスの音楽祭「ルツェルン・フェスティバル」芸術総監督であるミヒャエル・ヘフリガーさんらが企画したもの。被災地でも演奏を可能にするために、移動式コンサートホールが発案された次第です。2013年から2015年にかけて、松島、仙台、福島の3か所で設置されてきましたが、今回初めて東京に登場することになりました。
 なにしろ移動式ですから、材質は軽くなければいけません。塩化ビニールでコーティングされたポリエステル製の膜が送風によって膨らんで、内部の空間ができあがるという仕掛けになっています。形状や色彩がなんとなく臓器や血管を連想させますが、実際に中に入ってみると、まるで自分が巨大生物の体内に潜り込んだかのような錯覚を覚えます。
 このアーク・ノヴァに登場したトランペットのラインホルト・フリードリッヒ、トロンボーンのヨルゲン・ファン・ライエンは、ともにルツェルン祝祭管弦楽団のスター・プレーヤー。ルツェルン祝祭管弦楽団は今年11年ぶりの来日を果たしました。このオーケストラは世界中から最高の精鋭が集った、いわば音楽界のドリームチームです。そんなオーケストラの金管楽器セクションの顔ともいえるおふたりがソロを聴かせてくれました。
 特におもしろかったのが、トロンボーンのための「スリップストリーム」。足元に置いた「ループステーション」に自分の演奏を録音して、これをループさせ、その上にさらに演奏を何重にも重ねて、曲を演奏していました。スリリングで、カッコよかったですよね。

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人気のミュージカルを楽しむ音楽会

投稿日:2017年11月04日 10:30

今週は「人気のミュージカルを楽しむ音楽会」。劇団四季でも活躍し日本のミュージカル界を牽引してきた石丸幹二さんが、ミュージカルの名曲を紹介し、その人気の理由を教えてくれました。人気の理由として挙げられていたのが、「映画が大ヒット」「ディズニー作品の舞台化」「メロディメーカーの存在」の3つの要素。ミュージカルのファンならずとも、知っている作品、どこかで耳にした名曲がたくさんありましたよね。
 古くは「サウンド・オブ・ミュージック」や「ウエスト・サイド・ストーリー」といった名作から、最近のヒット作である「ラ・ラ・ランド」に至るまで、ミュージカル映画の人気はずっと絶えることがなく続いています。こうした映画をきっかけにミュージカルを好きになった方も多いはず。
 また、ディズニー作品とミュージカルの結びつきも、ファンの拡大に大きな役割を果たしています。「ノートルダムの鐘」「ライオンキング」「アラジン」「リトルマーメイド」「美女と野獣」といったディズニー作品が、劇団四季等でミュージカルとして上演され、人気を集めています。
 よくある質問に「オペラとミュージカルはどう違うのか」というものがあります。一般的な回答としては「オペラは生の声で歌うのに対し、ミュージカルではマイクが使われる」といった例が挙げられますが、実のところ、両者の境目はそれほどはっきりとしたものではありません。たとえばバーンスタインの「ウエスト・サイド・ストーリー」や「キャンディード」は、ミュージカルの歌手にもオペラの歌手にも歌われています。
 今回はアンドリュー・ロイド=ウェバーの「オペラ座の怪人」メドレーで、石丸幹二さんとオペラ歌手として大活躍中の市原愛さんの共演が実現しました。市原さん、ミュージカルを歌ってもすばらしかったですよね。きっとロイド=ウェバーの名曲も、ミュージカルの歌手にもオペラの歌手にも長く歌い継がれてゆくことでしょう。

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神童たちの音楽会2017

投稿日:2017年10月28日 10:30

今週は音楽の世界で幼くして才能を開花させた「神童」たちをご紹介いたしました。ヴァイオリンの大久保瑠名さんとチェロの北村陽さん、おふたりともすばらしかったですよね。緊張を感じさせない堂々たる舞台姿や、オーケストラと共演することを楽しんでいる様子が頼もしいかぎり。北村さんの「オーケストラの海で泳いでいる気分」は名言です。
 大久保瑠名さんが演奏したのはサラサーテの「カルメン幻想曲」。ビゼー作曲の傑作オペラ「カルメン」から聴きどころのメロディをつなぎ合わせ、独奏ヴァイオリンの華麗な技巧が披露されます。10月7日の放送で服部百音さんが弾いた「カルメン・ファンタジー」(カルメン幻想曲)も同様の趣向を持った作品ですが、あちらはワックスマンの作。「カルメン」にはこのような編曲作品がいくつもあります。原作曲者のビゼーはオペラ「カルメン」の成功を目にすることなく早世したのですが、後世に自分のメロディがこれだけ編曲されることになるとは思っていなかったでしょう。ましてやオペラの上演から約140年後に日本の少女が自作の編曲を弾いていることなど想像もできなかったはず。
 北村陽さんが弾いたチャイコフスキーの「ロココの主題による変奏曲」は、チェリストにとって必須のレパートリーといっていいでしょう。若い北村さんですが、すでにこの曲はすっかり体に沁み込んでいるように見えます。北村さんは西宮市の出身。兵庫県立芸術文化センターが設立するスーパーキッズ・オーケストラに最年少の小学2年生で入団し、佐渡裕芸術監督のもと数々の演奏会に出演しました。この10月にはソリストとしてこのチャイコフスキーの名曲を岩村力指揮兵庫県立芸術文化センター管弦楽団と共演しています。すでにこの年齢にしてソリストとしてプロの舞台に立っているのですから並大抵ではありません。聴く人を幸せな気分にしてくれる北村さんのキャラクターも魅力的です。将来どんなチェリストに育つのか、楽しみですよね。

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東京藝術大学のお祭りを知る休日

投稿日:2017年10月21日 10:30

学生たちが若くて眩しすぎる! 今週は「東京藝術大学のお祭りを知る休日」。生き生きとした若者たちの表情を見て、微笑ましく感じた方も多かったのではないでしょうか。東京藝大の学園祭である「藝祭」を、卒業生である石丸幹二さんと上野耕平さんが訪ねました。
 若者たちが思いきり弾けるこの甘酸っぱい感じ、まぎれもなく学園祭の雰囲気ではあるのですが、やっぱり一般の大学とはずいぶんカラーが違います。なんといっても学園祭を彩るビジュアルやサウンドの一切合切が、学園祭にしてはありえないくらいのハイクォリティ。立て看板のデザインからして一味も二味も違っていました。オリジナル御輿の造形のおもしろさだとか、模擬店で学生が歌う本格的なオペラ・アリアだとか、ケルト音楽研究部の板についた演奏ぶりだとか、なかなか一般大学では目にできる光景ではないでしょう。しかもケルト音楽研究部で演奏していた学生さんにお話を聞くと、所属が楽理科だったり美術学部の芸術学科だったりと多彩で、「え、そんなこともできちゃうの」と感心させられます。
 今年の「藝祭」は9月8日(金)から10日(日)にかけて、三日間にわたって開催されました。番組中でご紹介したのは8日の様子。期間中、学内のいくつものホールや奏楽堂(コンサートホール)では室内楽やオペラ、オーケストラ、オルガン演奏、邦楽など多数の公演も開催されていました。
 会場は上野。東京文化会館や国立西洋美術館、東京都美術館等の文化施設が集中する上野公園の一帯を抜け出ると、道路をはさんで右側に音楽学部、左側に美術学部のキャンパスが広がります。普段の授業では音楽学部と美術学部の学生にはほぼ接点はないそうですが、両者が共同作業をする貴重な機会が「藝祭」の御輿づくり。上野耕平さんが「藝祭マジック」とおっしゃっていましたが、いろんなロマンスが生まれるというのも頷けますよね。

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太鼓の革命児・林英哲の音楽会

投稿日:2017年10月14日 10:30

和太鼓という伝統楽器を用いながら、これまでにどこにもなかった新しい音楽を生み出しているのが林英哲さん。今週の「太鼓の革命児・林英哲の音楽会」では、その独創性を存分に感じていただけのではないでしょうか。
 最初の「三つ舞」ではドラムセットならぬ和太鼓セットが用いられていましたが、こういった独自の楽器の使い方を創案できるのも林英哲さんならでは。太鼓を正面から背中を見せて叩く「正対構え」も林英哲さんの考案だったとは! これを昔からある伝統奏法だと思っていた方も多いのではないでしょうか。
 クラシック音楽界で林英哲の名が国際的に知られるきっかけとなったのは、小澤征爾指揮ボストン交響楽団の初演による石井眞木作曲の「モノプリズム」。1976年に世界初演され、以後、日本やヨーロッパでも演奏されています。ごく最近の話題としては、昨年、東京で開催された音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」でも林英哲さんの演奏でこの曲が演奏されました。この音楽祭はフランスのナントから日本へ渡ってきたもの。本家ナントでも同曲が演奏され、林英哲さんの和太鼓とオーケストラの共演は大評判を呼びました。ラ・フォル・ジュルネでは一昨年にも松下功作曲の和太鼓協奏曲「飛天遊」がナントと東京の両方で演奏されて、大喝采を浴びています。和太鼓という本来ローカルな楽器が、洋の東西を問わず熱狂を呼び起こしていることに感動を覚えずにはいられません。
 番組中でクラシックの楽器との共演ということで選ばれた曲が、ヴィターリのシャコンヌ。この選曲には少し驚きました。こんなにしっとりとした抒情的な曲で、和太鼓に出番はあるのかなと不思議に思ったのです。しかし、実際の演奏を耳にして納得。和太鼓からあれだけ多彩な音色が生み出されるとは想像もつきませんでした。ヴァイオリンとパイプオルガンと和太鼓の音色がぴたりと溶け合っていましたね。

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クラシック界の新星・華音と百音の音楽会

投稿日:2017年10月07日 10:30

今週の「華音と百音の音楽会」では、ふたりの新星に登場していただきました。「華音と百音」というとまるでユニット名のようですが、ともに「音」の字が名前に組み込まれているのは偶然です。まるで音楽家になるべくしてなったかのようなお名前ですよね。ピアニストの松田華音さん、ヴァイオリニストの服部百音さん、ともにCDデビューも果たし、話題を呼んでいます。
 松田華音さんのキャリアは他にあまり例のないものだと思います。音楽一家のご出身ではないそうですが、6歳にして早くもロシアに渡り、ロシアで英才教育を受けて音楽家への道を歩みました。日本語よりもロシア語のほうが得意というほどですから、ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」はまさに本場仕込みの演奏。ダイナミックな打鍵で、ピアノからパワフルかつブリリアントな音色を引き出してくれました。
 組曲「展覧会の絵」といえば、一般にはラヴェル編曲のオーケストラ版が広く知られていると思います。この曲はラヴェルの華麗な編曲のおかげで人気曲になりました。オーケストレーションにかけては達人と呼ばれるラヴェルだけに、彼の管弦楽版は大変にカラフル。でも、ムソルグスキーがピアノのために書いた原曲は、ぜんぜん違う雰囲気なんですよね。松田華音さんが弾いてくださったように、骨太で土臭い音楽です。
 服部百音さんは曽祖父・服部良一、祖父・服部克久、父・服部隆之という音楽一家の出身。ヴェンゲーロフやレーピンといった世界最高峰のヴァイオリニストを育てた名教師ザハール・ブロンに師事し、国際コンクールでの受賞歴も豊富で、完璧なキャリアを築きつつあります。「カルメン・ファンタジー」で披露してくれた切れ味鋭いテクニックには圧倒されてしまいます。でも、石丸さんと話している姿を見ると、まだあどけなさを残す18歳の女の子。このギャップがなんともいえません。

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