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クリスマスソングを楽しむ音楽会

投稿日:2018年12月22日 10:30

いよいよクリスマスですね。今週は1980年代から90年代に流行したクリスマスソングを、趣向を凝らしたアレンジでお楽しみいただきました。
 石丸さんが「私の青春です」と語る「ラスト・クリスマス」は、1984年にリリースされたワム!の大ヒット曲。石丸さんのサクソフォンがカッコよかったですね。「きよしこの夜」や「ジングル・ベル」「もろびとこぞりて」も聞こえてくるという、クリスマス感たっぷりのアレンジでした。
 金ピカの衣装が眩しすぎる松永貴志さんが選んだのは、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」。1994年にリリースされて大ヒットを記録し、今やすっかり定番のクリスマスソングになっています。松永さんによるジャズ・バージョンのアレンジで、一段と楽しいクリスマスが訪れたように感じました。
 上野耕平さんが選んだのは、1983年にリリースされた山下達郎「クリスマス・イブ」。鉄道会社CMとして広く親しまれた曲だけに、これには納得。ご本人のTwitterなどからも伝わってきますが、上野さんの熱心な鉄道ファンぶりは半端ではありません。なにしろ「生きているうちに日本全国の路線に乗りたい」というほどで、「乗り鉄」必携の「乗りつぶし地図帳」も活用しているのだとか。今回のアレンジでは、途中でパッヘルベルのカノンを交えながら、ザ・レヴ・サクソフォン・クヮルテットの一員として、しっとりとして情感豊かな演奏を披露してくれました。
 最後の「恋人がサンタクロース」は、松永さん、上野さん、石丸さんが加わって、ぐっと華やかに。松任谷由実さんがこの曲を発表したのは1980年のこと。懐かしさを感じる一方で、曲そのものは今聴いてもまったく古びておらず、とても40年近くも昔の曲だとは思えません。時代を超える名曲です。

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和楽器プリンスの音楽会

投稿日:2018年12月17日 09:58

今週は箏曲プレイヤーのLEO(今野玲央)さん、三味線プレイヤーの上妻宏光さん、おふたりの和楽器界のプリンスにご出演いただきました。
 LEOさんはアメリカ人の父と日本人の母を持つ20歳。スラリとした演奏姿がカッコよかったですよね。現在、東京藝大邦楽科に在学しています。東京藝大といえばクラシック音楽の世界ではだれもが知る日本を代表する芸術大学ですが、国立大学だけあって、この大学には邦楽科も設置されています。しかも、一昨年には邦楽器の可能性を開拓するために、現代箏曲専攻分野が新設されました。伝統音楽の楽器というイメージが強い箏ですが、LEOさんのような現代箏曲に取り組む若いプレーヤーが登場することで、また新たな伝統が築かれていくのでしょう。
 LEOさんがいろいろな奏法をデモンストレーションしてくれたように、現代箏曲では楽器の使い方も本当に自由で多彩です。このあたりは現代音楽における西洋の伝統楽器の使い方と同様ですね。箏は音を発した後に音程に変化をつけられるところがおもしろいところ。また、無調側を使ったサウンドも印象的でした。不気味なサウンドで、ホラー映画なんかの効果音にも使えるかも!?
 上妻宏光さんの津軽三味線もとても現代的で、独創性にあふれています。朝倉さやさんの歌唱、ゆよゆっぺさんのDJとともに、山形民謡「最上川舟唄」を MOGAMIGAWA へとアップデイトしてくれました。これはもう日本や西洋といった区切りを超越した世界音楽といった感があります。最後のAKATSUKI はダンスカンパニーのDAZZLEが加わって、まさに踊るための音楽になっていました。
 三味線がアンプやチューナーにつながった「エレキ三味線」になっているのにはびっくりしました。エフェクターを使うと、まるでエレキギター。楽器の見た目とのミスマッチがなんとも言えません。

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才色兼備の女性トリオと楽しむ休日

投稿日:2018年12月08日 10:30

今週はヴァイオリンの川久保賜紀さん、チェロの遠藤真理さん、ピアノの三浦友理枝さんをゲストにお招きしました。それぞれソロやオーケストラで活躍するみなさんですが、その合間を縫ってトリオを組んで、まもなく10周年を迎えます。音楽祭などでソリストが集まった際に臨時のトリオを組むことはよくありますが、このように10年間にわたって続くトリオは決して多くありません。多忙であっても続けられるのは、やはりお互いの相性の良さがあってこそなのでしょう。
 3人の共通点は、音楽家ではなく、一般家庭の出身であること。クラシック音楽の世界には、音楽一家に生まれたという方がとても多いように思います。これはバッハやモーツァルトの時代から現代まで変わらない点ですが、どうしても早期教育が求められますので、本人の意思というよりは親の意向で第一歩がスタートします。教育環境や人と人のつながりという面でも、音楽家の家庭に生まれた子が恵まれているのはたしか。しかし、一方で両親ともまったく音楽の世界に縁がなくとも、一流の音楽家へと育っていく例もたくさんあります。遠藤さんが「見知らぬおばあさんから褒められた」ことがプロを目指すきっかけになったとおっしゃっていたように、思わぬ出来事が背中を押してくれることも。人の運命はわからないものです。
 「トリオ」とは広く3人のグループを指す言葉ですが、クラシック音楽では今回のような通称「ピアノ・トリオ」と呼ばれる編成、つまりピアノ、ヴァイオリン、チェロの3人の組合せが一般的です。ブラームスのハンガリー舞曲第6番とラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」を演奏していただきました。ラヴェルの作品の原曲はピアノ曲。作曲者自身によりオーケストラ用にも編曲されています。今回の山田武彦さん編曲のトリオ・バージョンでは、トリオならではの豊かな色彩感と透明感をお楽しみいただけたのではないでしょうか。

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フィギュアスケートの音楽会2018

投稿日:2018年12月01日 10:30

今週は恒例の「フィギュアスケートの音楽会2018」。本来であれば録音に合わせて選手が演技するところを、逆に選手が演技する映像に合わせて生演奏をするというのが、この音楽会のおもしろさ。音楽にクローズアップすることで、フィギュアスケートの演技が一段とドラマティックに感じられたのではないでしょうか。選手の動きと音楽の表情がどんなふうに結びついているのか、といったことをつい考えながら見てしまいます。
 羽生結弦選手によるショパンのバラード第1番を演奏したのは関本昌平さん。2005年のショパン国際ピアノコンクールで第4位を獲得するなど、輝かしいコンクール歴を誇る実力者です。生演奏であるにもかかわらず、映像に音楽を同期させなければならないという特殊な条件での演奏でしたが、関本さんはこれを「他の楽器とアンサンブルをしている感覚」と表現してくれました。これには納得。しかも音楽の流れに無理がないのはさすが。脱帽するほかありません。
 ザギトワ選手の「ドン・キホーテ」はバレエの定番曲。作曲者のミンクスはこの「ドン・キホーテ」をはじめ、「ラ・バヤデール」などバレエ音楽の名曲で知られています。これらは演奏会用のレパートリーというよりは、実際に劇場で踊るための音楽といっていいでしょう。そんな踊りのための音楽と、フィギュアスケートの相性はばっちり。あらためて、バレエとフィギュアスケートの親和性を強く感じました。
 ゲストの村上佳菜子さんが演技した映画「マスク・オブ・ゾロ」の音楽は、ジェームズ・ホーナーの作曲。ジェームズ・ホーナーは映画「タイタニック」の音楽でアカデミー賞を受賞するなど、数多くのハリウッド映画で活躍しました。村上さんののびやかで躍動感あふれる演技と、ダイナミックで雄大な音楽が見事に調和していたと思います。

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