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絵画からイメージするフランス名曲の音楽会

投稿日:2023年11月11日 10:30

 今週は絵画からイメージする名曲を、ピアノの務川慧悟さん、Cocomiさんに演奏していただきました。ともにフランス音楽を得意とするおふたりが、サティ、ドビュッシー、ラヴェル、プーランクが残した19世紀末から20世紀初頭の作品を披露してくれました。
 最初に演奏されたのはサティのジムノペディ第1番。曲名は古代ギリシャの神さまを讃える少年たちの裸の踊りに由来します。一説によればサティはその祭りを描いた古代の壺から着想を得たのだとか。Cocomiさんが「華やかな祭典の後に回想するイメージ」と語っていたように、淡々とした曲想にはどこか追憶に浸るような趣があります。
 ドビュッシーのアラベスク第1番は、Cocomiさんがアンリ・ル・シダネルの絵画「夕暮の小卓」から連想した曲。Cocomiさんはこの絵にメランコリーを感じ、色づかいの共通性からドビュッシーの「アラベスク」を連想したと言います。
 務川さんがルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」から連想したのは、ラヴェルの「水の戯れ」。ルノワールの絵画は暗い色を多く使いながら、光の印象を際立てていると言います。きらきらとした高音を多用した「水の戯れ」にも光のイメージがあふれていますよね。美術の世界だけではなく、音楽でも「印象主義」という言葉が用いられるのですが、その先駆的な例としてよくあげられるのが「水の戯れ」です。
 最後にCocomiさんと務川さんが演奏したのは、プーランクの「消えた男」。シダネルの幻想的な夜の光景を描いた作品「コンコルド広場」から連想した一曲です。原曲が歌曲ですので、「消えた男」には歌詞があります。この詩ではドイツ軍に捕らえられた友人が行方知れずとなったことを嘆いているのですが、曲調には吹っ切れたようなすがすがしさが感じられるのが、プーランクらしいところ。寂しさと明るさが不思議と共存しているところに、シダネルの絵画との共通点が浮かび上がってきます。

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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