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DREAMS COME TRUEをオーケストラアレンジする音楽会

投稿日:2023年07月01日 10:30

今週はDREAMS COME TRUEの名曲を、オーケストラアレンジでお届けいたしました。演奏は鈴木優人さん指揮東京フィル。大編成のオーケストラならではのサウンドをお楽しみいただけたのではないでしょうか。ゲストの中村正人さんもおっしゃるように、アレンジひとつで楽曲の印象は大きく変わるもの。今回は山下康介さんと萩森英明さんが、それぞれの曲に創意に富んだオーケストラアレンジを施してくれました。
 「未来予想図Ⅱ」の編曲テーマは「かわらぬ愛を貫いていく少しの不安と大きな希望」。冒頭のオーボエのソロをはじめ、クラリネットやチェロ、ホルンなど、ソロの聴かせどころがふんだんにあって、陰影豊かなオーケストレーションになっていました。不安交じりではあるけれど、希望の力がそれを上回っていく。そんな様子が伝わってきます。
 「晴れたらいいね」の編曲テーマは「カラフル!ワクワク!」。フリューゲルホルンのふくよかで柔らかい音色と、弦楽器のピチカートが効果的に用いられていました。明るく軽やか、でも少しレトロな風味も入っていてチャーミング。洗練されたサウンドが心地よかったですよね。
 「やさしいキスをして」の編曲テーマは「やさしさと不穏な関係」。こちらは独奏ヴァイオリンとオーケストラの共演でした。ヴァイオリンは「題名プロ塾」でデビューしたミッシェル藍さん。まるで19世紀ロマン派のヴァイオリン協奏曲を思わせるような豊麗で幻想味豊かなアレンジで、独奏パートも堂々たる本格派。もう一度聴きたくなる濃厚なアレンジです。
 「決戦は金曜日」の編曲テーマは「決戦」。こちらは思い切り華やかでカラフルなオーケストレーションで、期待感と高揚感があふれ出ていたように感じます。きらびやかな管楽器にエレガントで厚みのあるストリングスが加わって、オーケストラを聴く醍醐味を堪能させてくれました。

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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