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ウィーン チェロ・アンサンブル5+1の音楽会

投稿日:2023年06月17日 10:30

今週はウィーン・フィルの往年の名チェリストであるゲルハルト・カウフマンさんが2008年に設立したアンサンブル、ウィーン チェロ・アンサンブル5+1のみなさんにご出演いただきました。5人のチェリストたちはいずれも名手ぞろい。カウフマンさんに加えて、ウィーン・フィルのメンバーであるセバスティアン・ブルーさん、ベルンハルト直樹ヘーデンボルクさん、ウィーン室内管弦楽団のミラン・カラノヴィチさん、ブラームス・コンクール第1位のフローリアン・エックナーさんで構成されています。さらに「+1」として、ウィーン・フィルのフルート奏者カリン・ボネッリさんが参加。華やかで多彩なアンサンブルが実現しました。
 最初に演奏されたヨハン・シュトラウス2世の「クラップフェンの森にて」は、お正月のウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートでもよく演奏される人気曲。オーケストラでは打楽器奏者が鳥笛を担当しますが、ここではカウフマンさんが鳥笛を担当。フルートのボネッリさんになんども言い寄るけれども、袖にされるという愉快な演出が付いていました。続いてレハールのオペレッタ「ほほえみの国」より「君はわが心のすべて」が演奏されると、ボネッリさんはエックナーさんの奏でるチェロにすっかり心を許してしまいます。最後のカウフマンさんのとぼけた表情には爆笑! こういった笑いのセンスもどこかウィーン風だと感じます。
 ラヴェルの「ボレロ」では4人で1台のチェロを弾くという離れ業にびっくり。ボレロはスペイン舞曲の一種ということで、スペイン風のコスチュームで登場してくれました。
 最後のチャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」は、本来はチェロとオーケストラのための楽曲。名チェリストならだれもが弾く名曲ですが、独自の編曲により作品から新たな魅力を引き出していました。まるでふたりのソリストが音楽で会話を楽しんでいるようでしたね。

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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