1987年から始まったこの番組は、放送400回目を迎えました。
節目となるこの日のテーマは「激論!どう生きる?コロナ時代」。
奇しくも当日は安倍総理の辞任会見と重なったわけですが、
長期政権の終わりが示された中で、会見直後から周辺の空気は一変しました。
寂寥感と、得も言われぬ高揚感が混在した永田町は、
確かな権力の気配を漂わせていました。
全国のコロナ感染者が6万人を超えて、政治空白を作ってはいけない中で、
次の政権の担い手が大いに注目されます。
俗に、「長期政権は腐敗する」と言われます。
早々に自民党の各派閥を巻き込んでの総裁選レースが始まる中、
変わり身の早さを痛感するのは、政治家からだけではありません。
総理とメディアの関係で言えば、
前政権までは、総理のメディア出演は各社持ち回りでした。
第二次安倍政権以降、総理が出たいところに出る方式に変わります。
自由に出演が要請出来る一方で、メディアの選別と分断が起きたという指摘は否めません。
官邸内での総理と記者との接触の場は、
総理会見以外では、出退邸時の記者団とのいわゆる「ぶら下がり」取材に限定されています。
聞きたいことがある場合、事前に記者から官邸側にぶら下がりの要請を行います。
質問内容を通告し、「応じる」との返答をもらった時点で初めて取材の機会を得られるのです。
仮に「応じない」と言われても、臆さず声をかける場合があったものの、
これまでは、質問の文言まで調整していました。
今や、それらのルールは形骸化し、記者から事前通告しない時もあると言います。
そもそも、総理に声をかける際に事前申請が必要なのかという議論もあります。
課題は多々あれど、取材者と権力者の関係性には、確実に変化が表れています。
「終わりの始まり」が見えた時、脆く崩れ去るものもあれば、変わらないものもある。
次回の朝生では、新しい総理大臣が決まります。
何を変え、何を変えないのか。
番組でも引き続き討論していきます。