世界の車窓から

トップページ > 撮影日記

花とアルプス 初夏のスイス登山鉄道の旅編 撮影日記

旅の起点チューリヒ中央駅
チューリヒ到着、スイスの旅が始まる
5月後半、撮影隊はスイス連邦チューリヒ空港に降り立った。日中の気温は25℃前後、心地良い風を肌に感じる。街を歩くと街路樹の新緑が日の光を浴びて、キラキラと輝いている。湖の向こうには、まだ雪に覆われたアルプスの山々が連なっている。
「まさにスイスだ・・・」
初めてこの地を訪れた私にとって、その風景は頭の中にあった“スイス”のイメージそのものだった。まさに人と自然が調和した美しい国。この先、どんな絶景が待っているのかと思うと、おのずと心が湧いてくる。
さっそく、撮影隊はチューリヒ中央駅へと向かった。まず驚いたのは、電光掲示板に表示された列車の数。ずらりと並んだ60本ほどの列車案内。どれも30分以内に発車する列車だ。Gleis(プラットホーム番号)の欄には、なんと44番線まで表示されている。
後から知ったのだが、チューリヒ中央駅は昔から拡張を繰り返したため、場所によって20番代、30番代・・・とホーム番号が振り分けられていて、21と22番線の後は31~34番線という風に数字が飛び飛びになっている。
とはいえ、ホームの数は全部で26もある。数多くの列車が出入りしている事には変わりはない。
さらに驚いたのは駅のトイレ。有料トイレは海外ではたまに見かける。しかし、1回の利用料がなんと2スイスフラン(約220円)もする。さすがは物価の高いスイス。到着間もない我々は、硬貨を持ち合わせていなかったため、現地コーディネータに借りて、用を足す羽目に・・・。まさか電車の中のトイレも有料かと思いきや、こちらは無料。スイスでは、トイレが有料か無料かを把握して旅をすると良いかもしれない。
それにしても、事前から聞いていたものの、スイスの物価の高さは想像以上だった。物にもよるが、日本のだいたい1.5倍~2倍。500mlのミネラルウォーターも、コンビニでは400円くらいする。現地コーディネータに聞いて、比較的安いスーパーでまとめ買い。そんな工夫をしながら、我々の撮影は始まったのだった。
ディレクター 岩田有正
毎日3000本近くの列車が出入りする
1日に40万人以上が行き交うスイス最大の駅