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花とアルプス 初夏のスイス登山鉄道の旅編 撮影日記

ブロネイ=シャンビイ保存鉄道で出会ったうれしいハプニング
ハプニングだらけ!?スイス珍道中
海外ロケは予想外の出来事にたびたび見舞われる。
スイスでの撮影は、ハプニングの連続だった。
まずは、電車での出来事。
日本でも電車が止まることはあるが、スイスでも起きてしまった。その日は、車窓に朝日が差し込む映像を撮りたかったため、頑張って4時半に起床。6時半発の電車に乗ったのだが、出発してわずか数十秒で停車してしまった。原因は電源不良らしく、復旧の見込み無し。ホームから100メートル足らずの線路上で閉じ込められてしまい、次発の電車が追い越していくのを、ただ眺めるしかなかった。復旧したのは約1時間半後。太陽はすでに高く昇ってしまっていた。
2つ目は、ある宿に泊まった時のこと。
ロケが終わり夕食を済ましてから、ホテルの部屋に戻った。疲れていたため11時過ぎに就寝。するとその夜、頭の中に鐘の音が鳴り響く悪夢にうなされた。朝起きて窓を開けてみると、すぐ隣に教会が建っている。嫌な予感を抱きつつ、ロケに出発。その夜、なかなか寝付けずにいると、午前0時に教会の鐘が鳴り響いた。夢ではなく、本当に鐘が鳴っていたのだ。おまけに鐘はその後、1時間おきに時報のように鳴り続けた。これこそ本当の悪夢・・・。
次の日、スタッフ全員が睡眠不足の顔で現れたのは言うまでもない。
ハプニングは、いつも悪いことだけではない。偶然がもたらす素敵な出会いもある。今回、一番のハプニングは、モントルー近郊で撮影していた蒸気機関車に、いきなりドレスを身にまとった花嫁が乗ってきたことだ。聞けば、ちょうど近くで結婚式を終えたばかり。新郎や周りの仲間も一緒に乗り込んできて、さっそく結婚パーティの続きが始まった。
「撮影、OK?」と聞くと、快く承諾。我々は偶然にも“蒸気機関車でウェディングパーティ”という最高の映像を撮ることができたのだった。
ディレクター 岩田有正
地元ボランティアが走らせるブロネイ=シャンビイ保存鉄道
早朝のジュネーヴ・コルナヴァン駅