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雨季のカンボジア〜青く輝く田園を走る 撮影日記

シェムリアップへ向かう道中の食堂 おかずとご飯
カンボジアグルメ
クメール語は母音が26個もあるとのこと。いくつか言葉を教えてもらいましたが、なかなかとっさに出てきません。そんな中でよく口にしたのは「オークン(=ありがとう)」、そして「チガニ(=おいしい)」でした。カニを食べている時、コーディネーターのソティさんが「カニはチ”ガニ”」と冗談を言ったりしたので、しっかり記憶に定着しました。
カンボジア料理は、渡航前にはどんな味か想像がつきませんでしたが、なかなかチガニです。タイ料理ともベトナム料理とも違う、意外な味に驚く毎日でした。辛いものはほとんどありません。車窓からどこまでも続く広大な田んぼが見えるだけあって、立派な米文化。基本的には白米と数種類のおかずを頼んでみんなでシェアするか、簡単に済ませたいならチャーハンはハズレなしです。米は割とモチモチで日本人好み。カメラマンの安倍さん、ドライバーのボンナリエイさんはいつもおかわりしていました。おかずは「ロックラック」という、焼いた豚肉をライムとソースで食べる料理を何度も注文。必ず生のトマトが敷いてあります。他にも、冬瓜の中に肉が詰まった滋味深いスープや、青い野菜がいっぱい入った「鍋」は疲れた体に染みました。初めて食べた炒めたカエルも、鶏肉よりもプリプリしていてイケる。魚を発酵させた調味料「プロホック」や、レモングラス、胡椒なども食欲をそそるいいアクセントになります。
列車での食事事情はといえば、南線では、車内の売店で売っているカップラーメンをすするくらいで、そこまで多く見かけませんでしたが、北線では皆、何かしら食べていました。窓が開くので風が通り、匂いもこもらないし、各座席にゴミ箱もあります。6時40分の出発後は、買ってきた弁当ですぐに朝ごはんタイム。ほぼ皆、白飯の上に豚肉炒めをのせた「バイサイチュルーク(=豚肉ご飯)」の弁当でした。昼食は、途中駅のポーサットで調達。出店で干し肉や干し魚などおかずを選び、白いご飯、ピリ辛の調味料のみというなんともシンプルなもの。私も一つ買ってみることに。風に吹かれながら食べた干し肉弁当。ワイルドで大胆な気持ちになった、忘れられない食事です。
ディレクター 中村 仁美
ロックラック
干し肉の弁当