インカの記憶・アンデスの風・南米ペルーの旅 撮影日記

- プーノに広がるチチカカ湖
- プーノ到着
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クスコを出発して10時間。プーノの街が近づいてきた。夕暮れの景色と、遠くに見えてくるであろうチチカカ湖を見ようと、展望車に人々が集まる。展望車では、バンドの演奏やダンスが披露されていたが、この時間になるとお酒の提供だけで、落ち着いたバーの様な雰囲気。
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順調にプーノの駅へと向かっていた列車。もうすぐそこに駅があるのにも関わらず列車が止まってしまった。聞くと「駅の準備が出来ていないから」とのこと。10時間前から列車が向かってきている事はわかっていただろうに。駅に入る頃には、あたりはすっかり真っ暗になっていた。列車を降りると、乗務員たちが1列に並び、拍手で出迎えてくれる。ただ列車に乗っていただけなのだが、すごい冒険を終えた様な気持ちになり、気づけばハイタッチをしていた。恥ずかしい。
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翌日、チチカカ湖の撮影へ。チチカカ湖は,アンデス山中の標高およそ3800mにある淡水湖で,ペルー南部とボリビア西部にまたがり,琵琶湖の12倍以上もの広さをもつ。湖に浮かぶ葦で出来た人工の島、ウロス島で、世界各国から来た観光客と共に、現地の人々に説明を受ける。湖は何も遮るものがなく、さらに標高も高いから紫外線が強い。自分だけ帽子を被ってなかったら、1人だけ派手な現地の帽子を被らされる。恥ずかしい。
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クスコ周辺で出会ったペルーの人々はインカ帝国の支配民族であるケチュア族が多く、プーノの人々はアイマラ族の人々が多いという。4300m超えだったラ・ラヤ峠を境に、文化や習慣が大きく変わるらしい。確かにマチュピチュに向かう道のりで出会った人々より、少し寡黙に感じる。プーノの街は、アンデスのカラフルな色合いは少なく、水色を基調にした爽やかな雰囲気。町並みもヨーロッパのバカンス地の様な、湖と緑豊かな公園などが広がっている。
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ペルーの旅は、プーノでの撮影を終え、これでおしまい。大都会リマに戻り、日本へ帰る。リマ、クスコ、マチュピチュ、プーノ。それぞれに違う印象に、ペルーの大きさを知った。
- ディレクター 水口拓郎

- 葦で出来た人工のウロス島

- 旅を終えてクスコに戻る列車