秋のオーストリア・チェコ 中欧の古都を巡る旅 撮影日記

- ハプスブルク家ゆかりの建物が多く残るウィーン
- 美しく温かい街、ウィーン
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「秋真っ盛りの美しいオーストリアとチェコをカメラに収めて来る」
そんな使命を胸に、ウィーンの旧市街で撮影を開始した。待っていたのは、紅葉に彩られた中世からの格調高い街並み。まさに望んでいた秋の風景が撮れたと満足していると、カメラマンの平林さんがなにやらカメラを構えている。捉えていたのは、金色の落ち葉を熊手でカラカラと掃除している清掃員や、公園のベンチでうたたねするおばあちゃん。確かに秋を感じさせるワンシーンだと気づかされ、自分の中で撮るべきものが定まった。こうした日常の何気ない一コマも、秋の美しさとして伝えたい!
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ユネスコの無形文化遺産である「ウィーンのカフェ文化」も取材した。1880年から続く老舗、カフェシュペールに行くと、息を呑むほど美しく夕日が差し込むエレガントな空間。客はみな新聞を読んだりおしゃべりしたりと思い思いにくつろいでいた。100年前には画家のクリムトや作曲家のレハールが訪れ、同じようにコーヒーを楽しみながら芸術談義に花を咲かせていたんだとか。
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店のオーナーに話を聞くと、昔からウィーンっ子にはカフェに対して譲れない条件があるという。例えば、アンティークな内装にふわふわのソファやコート掛けがあり、自宅のようにくつろげること。新聞や雑誌、ビリヤード台があり、社交の場としても楽しめること。店内には若者も多く、こうしたもてなしの精神こそが世代を超えて愛され続けている理由なのかなと感じた。
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密かに楽しみにしていたのが、大好物、ウィーン発祥の伝統的なチョコレートケーキ「ザッハトルテ」の撮影。 通な食べ方を教えてもらった。カプツィーナー(ホイップクリームがたっぷりと乗ったエスプレッソ)を注文し、そのクリームをザッハトルテに乗っけて頬張る。そしてエスプレッソを啜る。じゃあそれを撮ろうか!と周りを見渡すと、誰も食べていない。どうやら観光客がメインで、地元の人はたまにしか食べないそうだ。撮影において先入観は禁物だと、ここでも気づかされてしまった。
- ディレクター 野口 夏樹

- 本場のザッハトルテ

- カフェはみんなの憩いの場