オウルで列車を乗り継いでロヴァニエミに到着したのは、夜11時半近く。「白夜の季節、北半球では北へ行くほど日が長くなる」と、頭ではわかっているつもりだったが、いざその明るさを体感すると、あっけに取られてしまった。それもそのはず。この日の「日の出日の入りカレンダー」には、Up All Dayの文字が。なんと、太陽が沈まない日だった。パブやクラブが賑わうメインストリートを抜けた先では、斜陽が空と湖をオレンジ色に染め上げていた。夜中でも太陽が煌々としているだなんて、可笑しな夢を見ているようだ。地球の壮観さをありありと見せつけられ、畏れ多さすら感じる風景だった。