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花とアルプス 初夏のスイス登山鉄道の旅編 撮影日記

鉄道が魅力的な観光要素になっている
最先端!スイスの鉄道事情
スイス旅行といえば、鉄道というイメージが強い。本屋をのぞいてみても、スイスのガイドブックには鉄道紹介が半分を占めるものもある。列車は単なる交通手段としてではなく、“乗る事”自体が観光を楽しむ要素になっている。
本当かどうかは分からないが、「スイスでは16km歩くと旅客鉄道の便が見つかる」という言葉まであるらしい。路線密度は世界トップクラス。九州より少し大きいくらいの国土に、スイス国鉄と30社を超える私鉄の線路が複雑に入り組んで密集している。
鉄道のダイヤは驚くほど正確だ。おまけに多くの路線で列車が等間隔に運行され、9時34分の次は10時34分・・・と統一されているため覚えやすい。乗り換え時間もうまく考えられていて、ストレスなく移動することができる。
最近では、スマートフォン用のアプリも用意されているので、これを活用するとさらに便利だ。鉄道会社をまたいで列車を検索することができる上、運行中の列車がどこにいるかリアルタイムで確認することができる。限られた時間の中で撮影をしている我々にとって、これほど親切な国はない。
駅には改札がなく、中に入るとすぐにプラットホームが見えてくる。今回の撮影では、スイストラベルパスというフリーパスの乗車券を利用したため、駅に着いてから電車に乗り込むまでの時間がかなり短縮できた。乗車券の確認は移動中に車掌さんが見回るシステム。車両の多い列車では数名の車掌さん達が分担して回る。
スイスを列車で回るなら、このトラベルパスはとてもお得だ。主要な鉄道のみならず、トラムやバス、船まで乗り放題。登山鉄道も割引される事がある。
ただし我々のように、あれやこれや荷物の多いロケだと、紙切れ1枚の乗車券はすぐに無くしてしまいそう。ロケは毎朝、出発前にスタッフ全員がフリーパス乗車券をちゃんと持ったかを確認するところから始まるのだった。
ディレクター 岩田有正
駅には改札がない
ロケでお世話になったスイストラベルパス