アドリア海沿岸の5つの国々。様々な民族の文化が織り成す、千変万化の世界を鉄道は縦横無尽に駆け巡ります。スロベニア、ユリアン・アルプスの麓を疾走するボーヒン鉄道の蒸気機関車。アドリア海の真珠と讃えられる、クロアチアの古都ドゥブロヴニク。西洋と東洋の文化が交じり合うボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボ。そして、旅はさらに東方へ。セルビアでは「8の字」を描く複雑な山岳路線、シャルガンスカ・オスミツァ鉄道の列車に乗車。最後はモンテネグロ。ディナル・アルプスの切り立った崖の上を、アドリア海へ向けてひた走ります。ユーゴスラビア紛争から16年。この地に生きる人々は、今、底抜けに明るく、力強く、前を向いていました。
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