バックナンバー
2020年4月22日(水)の放送内容




標高2200メートルにある古都ゴンダールの郊外を走っていると、出会った人が「この先に趣の変わった村があるよ」と声を掛けてくれました。
いたる所にユダヤ教の象徴である「ダビデの星」が描かれているファラシャ村。ここには、古くから黒いユダヤ人と呼ばれるファラシャ族が暮らしていましたが、1991年にイスラエルへと移住したと村の人が教えてくれました。
今はエチオピア人が暮らす家を訪ねると、女性がコーヒーを淹れてくれました。この国のキリスト教は、ユダヤ教の影響も受け継いでいると幼子に話しかけていました。
傾き始めた日差しの中、ゴンダールの市内へと戻ると、男性が、この国の酒を飲んでみたらと勧めてくれました。それが蜂蜜を発行させた醸造酒、タッジです。昔から家庭で造られて来たこの国を代表する酒だと、老婦人が微笑みます。
フラスコから頂く、仄かな酸味と甘さが溶け合った爽やかな口当たりが、高原の黄昏へといざなってくれます。女性が見つめる夕陽に、神話と伝承に富んだこの国の歴史を想います。
♪ Teyim / Aster Aweke