スペインシンクロが初の金メダルを獲得しました。ロシアがいない中での金メダルですが、関係者にとっては嬉しさもひとしおでしょう。 今回の曲、レッド・ツェッペリン「天国への階段」を選んだのはアンドレア・フェンテス選手です。 振り付けもみんながアイディアを出し合い、ああでもない、こうでもないとやってみてはビデオで撮影してモニターで確認すると言う作業を繰り返して作っていました。 6月中旬にバルセロナの国立スポーツセンターを訪れたときにはまだ最初の振り付けを作っている段階で、果たして世界水泳までに完成するのだろうかと心配したほどです。 ヘッドコーチのアナ・タレスは「まだこんなちょっとしかできてないの、って思われると嫌だから、撮影してもいいけど、日本で放送はしないでね」と言われてしまったほどです。 さらには、7月に入って、藤木コーチから「毎晩11時までフリコンを作るのに追われています」と切羽詰ったメールが入っていたほどです。 完成したのはなんと大会の1週間前でした。 アンドレア・フェンテスは「でもこれがスペインのやり方だから」と肩をすくめて笑っていました。 しっかり帳尻を合わせてくる。さすがです。 みなさん、この作品をご覧になりましたか? この異色のハード・ロック。それも哀愁漂うハード・ロックです 胸にジーンとくるんです。 曲と演技の映像が重なり、いくつものシーンが心に焼き付けられるのです。 「シンクロで見る人の心を揺さぶりたい」 これがスペインシンクロが目指すところです。 私の心は、わしづかみにされてしまいました。