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ジョージア編 撮影日記

線路わきを牛たちが闊歩するボルジョミ・バクリアニ狭軌鉄道
山岳鉄道で出会った山の暮らし
ジョージア中部のボルジョミは、旧ソ連時代からリゾート地として知られていた場所で、ここからは、線路の幅が狭い山岳鉄道が出ています。終点のバクリアニまでの39キロを人が走ったほうが速いのではないかというような速度で進んでいく短い路線ですが、ここでは素朴な山の暮らしに出会うことができました。
取材に訪れたのは10月後半。列車に乗っていると、冬支度として薪を集めるため、チェーンソー片手に森から戻ってきた人たちが乗り込んできました。この地域に住む人たちは皆、自分で薪集めをするそうです。
沿線に暮らす人たちは主に農業や牧畜で生計を立てています。車窓からはのんびりと草をはむ牛の姿をよく目にしました。
取材中に出会った牛追いの一家には、朝食をご馳走になりました。食卓に並んだのは自家製のチーズやマツォーニと呼ばれるヨーグルト。特にマツォーニは日本のスーパーで買うヨーグルトとは全くの別物で、酸味が少なく、なめらかな味わいで大変美味しかったです。日本で健康食としてブームとなった「カスピ海ヨーグルト」はマツォーニの乳酸菌から作られたものです。ジョージアでは朝食の定番で、この家族も毎朝、必ず食べているそうです。またマツォーニは食べるだけでなく、日焼けしたときに肌に塗ったり、女性は蜂蜜と混ぜてパックとしても使うそうです。最近の研究ではマツォーニに含まれる乳酸菌は整腸効果や美肌効果のほかに、血糖値の上昇を抑えたり、免疫力を高めたりする効果もあることが分かってきています。
そのおかげなのか、ジョージアは長寿国として知られています。100歳を超えるお年寄りが多い、長寿村もあるそうです。取材中も大変元気なお年寄りに何度も出会いました。
ディレクター 真鍋耕治
チーズやマツォーニが並ぶ朝食
沿線の酪農家