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ベトナム南北縦断1800キロの旅 撮影日記

ミークアン
極私的ベトナムグルメ三選
ベトナム滞在中、私が最も発した日本語は「美味い!」だったかもしれない。田舎の小さな食堂であれ、どこであれ、ベトナムでは何を食べても食事が本当に美味しかった。というわけで、今回は「極私的ベトナムグルメ三選」と題し、自分の中で特に印象に残った料理をランキング形式で紹介したい。
第三位・・・ダナンで食べた「ミークアン」
少量のスープと平たい麺に、海老や砕いたピーナッツなどをのせたダナンの名物麵料理。海老の出汁が効いた濃厚なスープが特徴で、麺とよくからみ、めっぽう美味かった。ちなみにこれを食べたのは、ふらっと入った駅前の店。その時、現地のドライバーさんが「ミークアンならどこで食べてもハズレはない」と教えてくれた。ダナンを訪れる際には、色んなミークアンの店を巡るのも良いかもしれない。
第二位・・・ムイネーで食べた「貝のネギ油焼き」
刻んだネギと熱したラードをあわせた“ネギ油”を、貝にかけて焼いたシンプルな料理。ネギ油と貝の汁の相性が抜群で、一度、口に運べばやみつきになる味だった。これを食したのは海沿いにある海鮮レストランだったのだが、会計時の支払いが安くて驚いた。聞くところによると、ムイネーで食べると同じ南部のホーチミンやニャチャンよりも格段に安く済むらしい。街の雰囲気も良かったので、興味がある方はぜひ訪れてみてほしい。
第一位・・・統一鉄道で食べた「車内販売のお惣菜」
統一鉄道では、時間になると、惣菜を積んだ車内販売のワゴンがやってくる。8種類ほどのおかずから好きなものを選べるスタイルで、乗務員さんが温かい白飯と一緒にそれらを容器につめてくれる。揚げ春巻きや鶏のから揚げ、串焼きにソーセージなど、おかずはどれも白飯によく合うものばかり。見栄えが良いとは言えないし、特別パンチのある味でもないのだが、これがなんとも美味しく感じるのである。この美味しさの秘密は、きっと鉄道の魔法の力によるものに違いない。車窓から見える様々な風景や、電車の走る心地よい音、客室に流れるまったりした時間など、色んな要素がスパイスとなっているのだ。もう一度この車内販売を食べるために、近々またベトナム鉄道に乗りたいと考えている。
ディレクター 寺村 南希
貝のネギ油焼き
車内販売のお惣菜