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ニュージーランド南島 大自然と動物に出会う旅編 撮影日記

アーサーズ・パス国立公園
ニュージーランドのエコの工夫
ニュージーランドは、環境保護に積極的に取り組んでいる国の一つだ。コンビニやスーパーではレジ袋は貰えず、みんなマイバッグを持参していた。プラスチックごみによる海洋汚染を減らすために、2019年7月から使い捨てビニール袋が廃止されることが決まり、先行して多くの店でその取り組みを実施していたのだ。他にも、街のカフェでは使い捨てカップの蓋やストローが紙製のものになっていたりと、再生しやすい資源を積極的に使っているようだった。
特に人々の意識を肌で感じることが出来たのが、ダニーデン駅で開催されていたファーマーズマーケットだった。紙パックを再利用している卵屋さんや、飲み終わったらお店で空き瓶に新しい牛乳を注いでもらえる牛乳屋さんがあった。またマーケットの入り口には、誰でも無料で使えるマグカップが用意されていた。一人一人がアイデアを出し合い、出来るエコをコツコツ取り組んでいる印象が強く残った。
かつてニュージーランドは、開拓によって動植物の環境を脅かしてしまった時代があった。なかには絶滅してしまった動物もいたし、多くの原生林は牧草地へと姿を変えていった。しかし、20世紀に入ると自然の保護が推進されるようになり、今では国土の1/3が国立公園や保護区となり生態系が守られている。トランツ・アルパイン号で訪れた、アーサーズ・パス国立公園は美しい原生林が生い茂り、ニュージーランドの国鳥になっているキーウィが生息している。取材した日も大自然を満喫しようと多くの人々がハイキングや登山に訪れていた。興味があったので夜行性のキーウィについて、駅の近くのビジターセンターで聞いてみると、知識豊富なスタッフが親切に教えてくれた。最後には雄と雌では鳴き声が違うんだよ、と録音した音声まで聞かせてくれる程だった。ニュージーランド人は、自然を愛し自然を楽しむことが大好きな人が本当に多いなと思った。
日本と同じ島国で限られた資源の中で暮らすニュージーランド。まだまだ解決しなければならないことや取り組み中の問題も多いというが、学びたいことがいっぱい詰まっている国だった。
ディレクター 福良 美佳
ダニーデン駅のファーマーズマーケット
ニュージーランドの国鳥キーウィ