フィレンツェの街で最初に向かったのは、街を一望できるスポット、ミケランジェロ広場。ドゥオーモの丸屋根にアルノ川に架かるヴェッキオ橋。眺めはまさに「This is Firenze」。写真で何度目にしていても、訪れる価値のある場所だ。実際に街に降り立てば、どこを切り取っても絵になる、本当に美しい街だった。フィレンツェの美しさは、街並みや建築だけではない。この街で生み出された工芸品も素晴らしかった。取材に訪れたのは、1786年創業の絹織物の工房。貴族たちが愛用してきた生地が、今も当時の織り機を使って紡がれている。色彩や光沢、絵柄、どれも素晴らしくうっとりする。少しだけでもお土産に、と思って値札をみたのだが、1mが1万円以上もした。この価値が伝わるように撮影しなければ、と身が引き締まった。