インカの記憶・アンデスの風・南米ペルーの旅 撮影日記

- 祭りに賑わう人々
- 異国を求めて
-
最初の撮影は、「奇跡の主(セニョール・デ・ロス・ミラグロス)」と呼ばれる壁画が載せられた神輿を担ぎ、リマの街を行進するお祭り。
-
1655年の大地震でリマ周辺は多大な被害をうけたが、不思議なことにこの壁画が描かれた壁は崩れなかったそう。その後、この壁画に祈った人の病気が奇跡的に治ったことや、その後の地震でも崩れなかった事から、「奇跡の主」と呼ばれるようになり、毎年10月には、この壁画を称える大規模なお祭りが開かれているという。
-
旧市街の中心部、アルマス広場がメイン会場。スペイン統治時代に作られた大聖堂や、巨大な大統領官邸、コロニアル建築が建ち並ぶ。大都会の新市街からはうってかわって、一気に異国情緒あふれる風景が広がっていた。
-
大混雑のお祭りの様子を撮影していると、ひっきりなしに声をかけられる。「次は神輿があっちに行く」「神輿がここで一度止まるからここで待て」など、自慢のお祭りを綺麗に撮れる様に歓迎してくれる。ただ、気になったのは、人によって言っている事が違ったこと。結局、行進もみんなから聞いたのとは違う方向へと進んでいった。さっきのアドバイスは一体なんだったんだろう。
-
さらなる、ペルー感を求めて、お祭りの定番のお菓子「トゥロン」の撮影へ。ビスケットをカラフルに装飾したようなお菓子。一口食べてみると、砂糖を砂糖でコーティングしたような、日本では感じた事のない圧倒的な甘さ。その昔、壁画に祈りを捧げて病が治った女性が、その御礼に作ったお菓子なのだとか。
-
人気のトゥロン専門店で撮影していると、ひっきりなしにお客さんが訪れる。地元の人々は、トゥロンといっしょにコーヒーを飲んでいるのだが、そこにもまた砂糖をたくさん入れる。そして、年齢を問わずパートナーとすごく甘い時間を過ごしている。自然にスプーンでお互いに食べさせあっている姿もまた、異国。
-
最後の撮影は、リマの都市交通「リマ・メトロ」。地図アプリでは20分の距離。初日の渋滞の経験から倍はかかると踏んでいたら、今度は1時間。そんな渋滞の解消にも期待されているリマのメトロ。まだ1路線だけれど、今後の延伸が決まっているそう。多分、絶対延伸したほうがいいです。
-
次回、いざ高地へ。
- ディレクター 水口拓郎

- 伝統のお菓子トゥロン

- リマの市街を走る電車