アボリジナル文化に触れる オーストラリア南部の旅 撮影日記

- TAKASUKA ROAD
- スワンヒルと日本人
-
メルボルンから列車で5時間弱、内陸の町スワンヒルに到着した。
ロケ前、スワンヒルと検索して出てきたのは、ある日本人の記録。オーストラリアで初めて稲作を成功させた日本人・高須賀穣が住んでいたらしい。博物館に小さな展示と、稲作が始まった場所にタカスカロードと名付けられた道と記念碑があるとか。それは見てみたい!と行くことを決めた。
-
スワンヒルの主な見どころは、パイオニア・セトルメントという野外博物館。開拓当時の町並みが、なんとそのまま残されていてなかなか立派だ。
一通り撮影したあと、案内をしてくれたスタッフに尋ねる。「あの、日本人の…」「ああ、山形の留学生たちね!」違う!しかし、これも調べたとき見かけたぞ。山形市とスワンヒルは姉妹都市で、毎年学生が交換留学をしていると。なんと、その日ちょうど交換留学生たちが日本からやってきていたのだ。「いやそれも興味深いんですけどお米をつくった…」「ああ、高須賀のことね!」おお、通じた!そして、高須賀と奥さんの写真や持ち物が展示されている一角に案内してくれた。大きくはないけれど、本当に高須賀の展示がある…!
-
次に向かったのはタカスカロード。少し歩くとちゃんと記念碑が!本当に何もない静かな場所。120年前、日本から縁もゆかりもないこんな遠い場所に来て、一念発起しお米をつくった日本人がいたと思うとなんだか感慨深かった。
-
その日の夜、ホテルの近くに日本食レストランを発見。これも何かの縁かも知れない!とみんなであえて日本食を食べに行った。うどんやかつ丼といった定番メニューの中から私が選んだのは野菜カレー。このカレーに欠かせないお米も、高須賀がいたから気軽に食べられるのかも、と感謝しながらおいしくいただいく。それにしても、すごい混みようだ。日本食は人気なんだなと思っていると、団体客が占めているよう。もしや…山形からの留学生たち…!なにかと日本人と縁がある不思議な町だった。
- ディレクター 安部 真理恵

- 開拓時代の街並みが見られる野外博物館

- 稲作が初めて行われた場所