アボリジナル文化に触れる オーストラリア南部の旅 撮影日記

- ブルー・マウンテンズを見渡せるエコー・ポイント展望台
- 天気と思いこみ
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オーストラリアに到着してすぐ「ロケいつも晴れるほうです」と考えなしに言うと、そんなこと言わない方がいいとカメラマンやコーディネーターに笑われた。確かにロケ前に言うことではない。
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シドニーから2時間程で行けるカトゥーンバは世界遺産に登録されているブルー・マウンテンズ観光の拠点となる街。街自体の標高も1000メートルに達するため、天気が変わりやすい。標高の低いところでは晴れているのに、カトゥーンバに近づくと雨なのだ。ブルー・マウンテンズの実景撮影、前日天気が悪くて諦めたが、今日もがっつり雨。これは明日の朝イチに雨が止むのを祈るしかないか…とカメラマンたちとも話しながら、とりあえず下見をしようとカメラも持たずにロケ車を降りる。実質トイレ休憩だ。展望台の横のカフェなどが入っている施設の地下にトイレがあり、お土産屋さんもある。覗くとかわいいコアラのぬいぐるみが並んでいて、思わず購入してしまった。急いで地上に出ると…雨が止んでいた。どころか、展望台に向かうと晴れ間が見えてきた!雲が風に乗って流れているのが目に見える。スタッフたちは、すでに撮影を始めてくれていた。こんなに壮大な景色が広がっていたのか...4000kmにわたって連なる山脈の一部だというブルー・マウンテンズ。オーストラリアの広大な大地を実感する。雨で濡れたユーカリの森は緑が綺麗だった。この子が奇跡をもたらしてくれたのかもしれない…ぬいぐるみに”カトゥーンバ”と名付けた。
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「さすが持ってるね」とみんなから言われたが、そんなことはない。カトゥーンバ行きの車内撮影はずっと雨。シーニックワールドの撮影も雨。ポート・スティーブンスの砂丘も雨。けれど、雨は雨で雰囲気が良かったり、雨で人の流れが少なく撮影しやすかったりと思わぬ良いこともあった。自分のロケはいつも晴れているとは言ったけど、実際は思い込みなのを知っている。カトゥーンバ君を机の上に置き、見守られながら編集を頑張っている。
- ディレクター 安部 真理恵

- 雨でも楽しいシーニックレイルウェイ

- 唯一晴れたカトゥーンバの朝