界中を探してもないかも知れない。座席も通路も砂埃がたまっていて、腰を下ろす気にならない。走り出して、また驚く。揺れる、揺れる。しかも横にではなく、上下に。防災訓練で地震体験車というのがあるが、その時に体験した震度7よりも
賞と最優秀賞の受賞作品を、ダイジェストで紹介します。 【優秀賞】 朝日放送 ドキュメンタリースペシャル 「 勇 いさ 鯨 な ~揺れる太地町~」 長い捕鯨の歴史を持つ町が、アメリカで公開された映画によって一変。町の人々の生活を、この町にルーツ
木 街頭には花々と、 多くの止まり木がある中、 よくぞ、 よくぞ、 よくぞここへ! すごいなあ、君! がしがし歩いて 大揺れする わたしのバッグの ワニにつかまる、 てふてふの奇跡。 しがみついてる? か、 かわいい・・・ 「鰐に蝶」 いけてるなあ。 ふと気づいた時に
スコンロが並び、ラーメン鉢ほどの土鍋が置かれる。 鍋が沸騰するまでの数分間。出汁に浮かんだ自分の顔が、わずかに揺れる。 おひとりさまの、明確な定義はない。年齢や性別の線引きも、特にない。 単独であることは、果たして―。 「咳をしても一
、逃げられちゃったんだよ」 目的地の近所になって、運転手さんは思い出したように言い足した。 急に、気持ちがぐらりと揺れた。 先程飲んだ、カシスオレンジのせいだけではない。 「領収書、どうします?なんだか、無駄話に付き合ってもらっち
せん。 ゆるやかな山の稜線に視線を滑らせると、眼下には一面のススキ。 キツネのしっぽの連なりが、ふっさりと秋風に揺れています。 お弁当を広げながら、「この卵焼きと同じ色だね」。 止まっていた記憶が、少しずつ溶け出していきます。 万葉
ロールケーキを、 買いに。 同時に、会いに。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ かつて、「何か」があると、デパ地下に行った。 嬉しかったり、落ち込んだり。細微な心の揺れに合わせて。 「お肉にしよう」 勇んで向かう先は、精肉コーナーだった。 サシの入った見事な牛肉を前に、売り場のガラ
す。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「はいっ、はいっ…」 華奢な腕で、スーツケースをごろごろ引いている。 片手には携帯電話。イチゴのストラップがしきりに揺れている。 スタイリストの青ちゃんだ。 彼女にお世話になって、3年になる。 スーツケースの中身は、今週分の衣装だろ
てきたが、その際に必ずすることがある。 スーパーマーケット巡り。 母と二人で、近所の大型スーパーまで自転車を漕ぐ。 揺れる柳を潜り、坂を下り、キュルキュルとペダルを鳴らしながら。 その店は、おもちゃの大きな時計台が目印だ。 その傍
ト、パーマ、ブローで約3時間。 ガラス窓に西日がとろりと流れ出す頃には、決まってまどろんでしまう。 かくんかくんと揺れる頭にはっと目が覚めては、鏡越しに苦笑い。 「今朝も早かったんでしょう?」 「すみません…」 リスはとうに冬を越し、今や