Chart ⑥SLDについて
第6話では、『SLD(限局性学習症)』という凸凹をもつ小学生、宮内優太くん(演、石塚陸翔さん)が登場しました。今回はこのSLDについて、くわしくご紹介します。
ポイント ①SLDとは?
SLD(限局性学習症)は、先天的な障害である発達障害(=凸凹)の一つです。知的発達に遅れはなく、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する能力のうちのどれか一つ、もしくは複数のことが苦手なことを指します。重要なのは、学習に困難さがあるのではなく、学習に使うツールに困難さがある、という点です。
SLDはその特性の違いから、主に以下の三種類に分けて考えられています。
1.読字障害(ディスレクシア)
・音韻の困難 … 音韻意識が弱いと文字と音が一致しないため、文字を見てもその音がすぐに浮かばない。(またこの中で特に読みが苦手なことを『ディスレクシア』と呼ぶ)
・視覚機能の困難 … 文字がねじれて見えたり、躍って見えたり、動いて見えたりする。
2.書字障害(ディスグラフィア)
・想起の困難 … 音やイメージから、文字が浮かびにくい。
・記憶力、計画性の困難 … 順序立てて字を書くことが難しい。
3.算数障害(ディスカリキュリア)
・数概念の困難さ … 数字の大小や関係の理解が乏しい。
・数学的推論の困難さ … 定量的な問題を、式を立てて計算することが難しい。
ポイント ②支援の方法
SLDの特性は千差万別で、その特性に合った個別の支援を行うことが求められます。
学習の進みの悪さなどで発見されることが多いのですが、それが「理解が悪い」からなのか「学習手段でのつまずき」なのかはしっかりと見極める必要があります。一つのポイントとしては「読み書きを必要とする宿題はできないのに、口頭で訊くと答えられる/理解している」です。
読み書き等の能力はトレーニングをしても充分に育たないことも多いため、代替手段を用意して学習そのものに支障がないようにサポートすることも重要です。
箇条書きにしたりプリントを使って板書の量を減らすのも一つですし、図表や映像を使って学習を深めるのも良いでしょう。また近年では、ICT(タブレット、電子教科書など)を活用した教育も広まってきており、様々な道具や教材を活用することも効果的です。
SLDは、
ASD・ADHDと並んで
発達障害のひとつに分類されます