【別館】さやま・こどもクリニック~教えて佐山先生~

Chart ⑤ヤングケアラーについて

第5話では、ヤングケアラーの小学生・足立茜ちゃん(演、古川凛さん)が登場しました。今回はこのヤングケアラーについて、くわしくご紹介します。

向山先生も、かつて
ヤングケアラーでした

ポイント ①ヤングケアラーとは?

家事や家族の世話、介護などを日常的に行っている18歳未満の子どもをいいます。本人の肉体・精神的負担、学業や人間関係への影響が懸念されています。
厚労省が発表した最新の調査では、小学6年生の約15人に一人が該当します。

具体的なケアの内容としては、食事の準備、掃除、洗濯、買い物、各種支払い、きょうだいの世話。高齢の祖父母や障害を持つ親がいるケースでは、それらに加えて、入浴や排せつの介助、夜間の見守り。
あるいは、アルコール・薬物・ギャンブルなどの問題を抱える家族のケア。また、親が外国人などの場合は、その通訳。さらには、家計を助けるために働くことも含まれます。

実際に世話に費やす時間は、平均で1日4時間。中には7時間というケースもあります。

ポイント ②対応策

現在、児童相談所、文科省のSOSダイアル、法務省の子ども110番をはじめ、各地方自治体や活動法人、民間機関まで含めて、様々な相談窓口が開設されています。
また、使用できる支援制度や保険、学習支援なども多くあります。

一方では、当事者であるヤングケアラーの子どもの中には、「人に相談するようなことじゃないと思っていた」と苦しんでいるという自覚がないままケアを行っている子や、あるいは周囲に言っても理解されないだろうと思い込んで、学校の先生やスクールカウンセラーだけでなく友達にさえも言わずに、一人で抱え込んでいる子も多いです。

子どもを観察して、話をして、ヤングケアラーとなっている現状に気づいてあげること。そして手を差し伸べること(本人を制度や支援とつなぐこと)が、何より大切です。

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