

2006年12月26日
グローバル化するマグロビジネス。マグロ争奪戦の舞台裏に迫る。南アフリカ・ケープタウンはインド洋や大西洋で獲れたマグロが集まる世界最大のマグロ中継基地。大型冷凍運搬船は4ヶ月かけ世界の海を周り、2000トンものマグロを回収し日本へ運んでいる。
「前まで、この周辺の漁場は日本船だけだったが、最近は台湾船、韓国船、中国船、と他の国の漁船も同じ場所に集まってしまう」と話すのはマグロ漁船船舶代理店・田口幸太郎氏。ケープタウンの港では運搬船に荷を積み替えるためのマグロ漁船が順番待ちをしているが、中でも目立つのが台湾漁船だ。世界の海でマグロを独占してきた日本の遠洋マグロ漁船だったが、1999年乱獲批判で減船を余儀なくされ、衰退の一途を辿った。
そんな中、台湾が買い上げ、船の運用は日本で行う「台湾系日本船」と呼ばれるマグロ漁船が急増している。さらに、失業した船員を海外の船会社に斡旋している組合が紹介する先のほとんどが、台湾だという。
昨年、台湾は国際機関にマグロの獲りすぎなどを指摘され、厳しい漁獲量の制限が設けられ、さらにペナルティーとして200隻ものマグロ船解体を迫られた。台湾マグロ漁業の最大手「裕祐漁業」も所有していた船を一挙に半分に減らされた。その打開策として、この会社が打った手は日本船の購入だった。
漁船が減り、日本の漁獲枠に余りが出たことに着目した台湾。台湾系日本船で獲ったマグロは日本の漁獲枠にカウント。しかしその収益は台湾に流れる仕組みである。さらにベテランの日本人船員を漁労長(マグロ漁の責任者)などに採用。マグロを獲るノウハウを吸収している。
台湾のマグロ漁船に乗る船員の収容施設には「大陸漁民」と呼ばれる中国人船員300人が共同生活をしていた。中国と台湾の間では脱走者が出れば政治問題に発展するため厳重に管理されている。ほとんどが福建省や四川省出身。中には海を見たこともない人もいるという。コスタリカから戻ってきたばかりの20歳の青年に話を聞くと、3年間の航海で得た報酬は90万円だったという。この安い労働力が日本を凌ぎマグロ大国となった台湾の原動力である。
台湾遠洋マグロ漁業組合・王理事長は「現在、獲ったマグロの9割以上は日本に輸出しています。