

2007年1月9日
北朝鮮にはびこる麻薬。麻薬を手にした北朝鮮の人民たちは、密談を重ねていた。「国境沿線でやる。代金を先に処理してくれる」。彼らが狙いを定めたのは中国だ。
北朝鮮の麻薬は、かつて外貨獲得のための密売品だった。しかし2003年、アメリカは各国の協力を得て、密輸を阻止する拡散防止構想=PSIを発動すると、北朝鮮の海上ルートは国際社会の監視下に置かれた。このために売れなくなった麻薬が横流しされ、北朝鮮国内にまん延。それが今、中国へと流れているのだ。
北朝鮮国内で流通する麻薬はヘロインやアヘン、MDMAと多岐にわたる。北朝鮮で麻薬事業を統括しているのは、朝鮮労働党39号室傘下の5号管理部とされる。かつて、この5号管理部のアヘン工場で働いていた男性は、「製品を運ぶときや乾燥させるときに、いくらでも手に入れることができる」と話す。これまで、中国側の豊富な物資を輸入していた北朝鮮。しかし、麻薬取引に限ってはその立場は逆転している。なかでも覚せい剤は、結晶が氷のような形をしていることから「アイス」と呼ばれ、中国でも人気が高く、「アイス」は、確実に金になるという。
新華社通信は昨年8月、吉林省の国境警備隊が北朝鮮人民を覚せい剤の密売で拘束したと報じた。これまで北朝鮮との関係を重んじて公にしてこなかった中国政府。しかし、この報道は、すでに黙認できない状況にまで追い込まれている証だ。北朝鮮で広まった麻薬中毒のうねりは、中国をも飲み込み、そして今、人民をも蝕んでいる。