980 | 981 | 982 | 983 | 984 | 985 | 986 | 987 | 988 | 989 |

2007年1月15日

日本アルペン不屈のエース・皆川賢太郎

日本アルペン不屈のエース・皆川賢太郎

日本アルペン界のエース・皆川賢太郎さん(29)。1年前のトリノ五輪では、たった100分の3秒差でメダルを逃したものの4位入賞を果たし、日本人としては50年ぶりの快挙を成し遂げた。

しかし、そんな彼を悲劇が襲う。去年12月、海外での練習中に右ひざの前十字じん帯を断裂する大ケガをしたのだ。前十字じん帯とは、太ももとすねの骨をつなぐバンドのようなもので、ひざの動きすべてをつかさどる重要な部分。ひざをひねる動きが主な運動であるアルペンスキーにおいて、その断裂は致命的だ。しかし、選手生命にかかわる大ケガにも関わらず、皆川は前向きだった。「手術するしかない」と今年の1月4日に手術を受けた。そして彼は1日も早く復帰するため、手術からわずか24時間後にはリハビリを始めていた。

皆川のケガは今回が初めてではない。24歳の時にも左ひざの前十字じん帯を断裂している。16歳にして早くも日本代表入りし、23歳の時には、世界選手権で日本人として23年ぶりの10位入賞と、順風満帆な選手生活を送ってきた皆川。その彼が再起不能といわれ、スキー人生で初めて絶望の淵に追い込まれたのだ。手術、リハビリを経てワールドカップに復帰したものの、2年間で17レースに出場し、完走はたったの2回。代表から外され、スポンサーも離れた。一時はワールドカップに出場する資格も失い、自費で世界の草レースを転戦する日々が続いた。

雪の上を滑るアルペンスキーでは、一般に体重が重いほうが有利とされている。事実、世界のトップスキーヤーはみな、体格の大きい人ばかりだが、皆川は細身のまま才能だけで戦っていた。「才能だけで勝てる」、そう思っていたからだ。しかし、ケガをきっかけに皆川は変わった。「フィーリングで滑ることが、ほとんどなくなった」。ウエイトトレーニングに励み、体重を10キロ増量。その結果、ケガから3年目のワールドカップ、スイス・ウェンゲン大会で自己最高4位など、成績も安定した。そしてトリノ五輪では4位入賞という快挙を成し遂げたのだ。

「ケガを克服しようといろいろやるうち、どんどんスキーが好きになっていった。今回またケガをしたけど、長く続けたいという気持ちは変わらない」という皆川。現在も順調にリハビリをこなしている。不屈の精神で歩み続ける皆川賢太郎。

  • 1
  • 2
980 | 981 | 982 | 983 | 984 | 985 | 986 | 987 | 988 | 989 |