

2007年4月16日
去年8月、兵庫県丹波市山中の河原で、化石を探していた2人の地学愛好家が、JR福知山線に沿った篠山川の川岸に広がる約1億4000万年前(白亜紀)の地層から化石を発見。地元博物館の鑑定で「恐竜の化石」と判断された。尾の部分だけでも7メートルと推定されていて、日本最大の恐竜ではないかと期待されている。これまで国内で恐竜の化石が発掘されたのは、全国で21ヶ所。1978年の岩手県岩泉町で発見されたのが最初だった。それから30年、日本の恐竜については未知の部分が多い。今回は、長さ60センチに及ぶ肋骨の一部をはじめ、去年の調査だけでも10数点が発見されている。どんな恐竜なのか―――。
兵庫県三田市にある「人と自然の博物館」の三枝春生研究員は、発掘された化石の中から"血道弓"という骨に注目した。血道弓とは、尾椎の下にぶら下がり、動脈を保護するV字型の骨だ。この骨の形が、ティタノサウルス類に見られる特徴だという。"巨大なトカゲ"を意味するティタノサウルス類は、長い首が特徴の竜脚類の仲間に分類され、地球史上最大の草食恐竜のひとつである。同じ恐竜の化石は、日本では11年前に三重県鳥羽市で発見されている。見つかったのは体の一部だが、体長16〜18メートル、体重は31〜32トンで日本最大級の恐竜といわれている。しかし三枝氏によると、今回発見された化石は、血道弓の大きさから判断すると全長20〜30メートルで、三重のものよりさらに大きい可能性があるという。
さらに三枝氏は、小さい血道弓の骨にも注目した。小さく消滅しやすい骨が残っているということは、壊れやすい頭部なども保存されている可能性があるという。これまで、恐竜の全身骨格の発掘例は非常に少なく、ほとんどの骨格は全身の2〜3割の化石だけで復元されている。まして巨大なティタノサウルス類の全身骨格となると、発掘例は世界でもわずか2例しかないのだ。
発掘例が少ない原因のひとつに「化石の侵食」がある。水辺などで発見される化石は水の流れによって削られ、無くなってしまうケースが多い。今回の場合も、発見現場に川があることから、恐竜が川の方向へ倒れていたのならば全身骨格が残っている可能性は低くなる。今年2月、その可能性を求めて本格的な発掘調査が行われた。