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2007年5月16日

中国の毒性物質入り風邪薬で死者100人超

中国の毒性物質入り風邪薬で死者100人超

去年10月、中米パナマの首都・パナマシティで、風邪シロップを飲んだ人が次々と死亡し、犠牲者は100人を超えた。当初は原因不明の伝染病が疑われ、パナマ保険局はアメリカのCDC=疫病予防管理センターに協力を要請。原因は、保険局が製造・配布した風邪薬に混入された毒性物質だったことが判明した。通常、薬の材料として使われるのは「グリセリン」。しかし、そこから検出されたのは、毒性物質の「ジエチレン・グリコール」だった。グリセリンは、薬を溶けやすくするために使われる。それに対しジエチレン・グリコールは、甘みはあるものの、通常はブレーキ液や燃料添加剤などに使用されるもので、食品や医薬品への使用は禁止されている。多量に摂取すると神経麻痺や腎不全などを起こし、抵抗力の無い高齢者や子供は死に至る。

このジエチレン・グリコール、いわゆる"偽造グリセリン"を製造していたとされる工場は、中国・上海近郊にある江蘇省の工業地帯にあった。工場には「タイシン・グリセリン」という看板はあるが、工場で働く人は「ここは麺の製造機の工場で、グリセリンの工場については何も知らない」という。

パナマでは、偽グリセリンの入った風邪シロップは、ほとんどが病院で処方されていたために危険性を疑う人はいなかったという。パナマ検察庁では、現在までに100人以上の死亡を確認している。

国立医薬品食品衛生研究所の川西徹薬品部長は、これについて「日本などの規制の厳しい国では、医薬品を製造する段階で材料のチェックが義務付けられている。それが履行されていれば、最終段階で確認できたはず」と語る。偽グリセリンを輸入したパナマの貿易会社の社長(当時)は「原料が入っているコンテナは閉じられていて、納品するまで一度も開けることはない。私たちが細工をすることは不可能だ」と弁明していた。しかし、後にこの社長は逮捕され、チェックを怠ったパナマ保険局の職員9人も刑事告発されている。さらに捜査の手は、中国とのパイプ役を果たしたスペインの貿易会社にも伸びた。取材に対し、この会社の担当者は「私たちは純粋なグリセリンを注文しただけの仲介業者。中国の会社がグリセリンと偽って、パナマに荷物を送った」という。

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