

2007年5月23日
日本の行政を支配してきた官僚機構。その天下りシステムが今、問われている。衆議院で審議入りした公務員制度改革。政府与党の「天下り規制」法案では、これまで各省庁が個別に行ってきた天下りの斡旋を規制して、新人材バンクに一元化するというものだ。こうした天下り規制の攻防を当の国家公務員はどう受け止めているのか。現役キャリア官僚3人に本音を聞いた。
30代のA氏は、国家公務員1種採用のキャリア官僚で、霞ヶ関のX省に勤務している。A氏は、高級官僚にとって天下りは必ずついてまわるものだという。「20年弱働いて、それから外郭団体へ出る。局長だと、同期は2〜3人になっているのではないか」と語った。キャリア官僚の場合、課長補佐程度までは同期が横並びで出世するが、それより上のポストは限られている。ポストに付けなかった人は"肩たたき(退職勧告)"をされて退職し、天下り先を用意してもらい、最後に事務次官1人が残るというシステムだ。制度上の定年は60歳。しかし"肩たたき"はある日突然、命じられるという。Y省に勤める30代のキャリア官僚・B氏は「人事異動がメールやプリントで配られ、そのときに見てビックリすることもある。僕が知っているケースでは、出張から帰ってきたら退職だった、という人もいる」と語る。
人事院によると、国家公務員のモデル年収は45歳の課長で1168万円。そして、天下り先では給料や待遇面で厚遇され、団体や企業を2〜3年で渡り歩くケースも少なくない。そのたびに高額な退職金が支給される。X省に勤めるA氏は「"自分は評価されていい"と思っている人が多いはずなので、"天下りして何が悪い"と思うのではないか」という。さらにA氏は「退職金でこれまで働いていて十分に払われなかった金を、天下り先で後払いでもらっていた、と個人的にはそういう認識でいる」とも語る。
霞ヶ関の隣にある虎ノ門には"天下り村"が広がっていて、官僚たちが第二の人生を送る公益法人の多くがここにある。ある公益法人の職員は「役員クラスは、すべて官庁から来ている。言葉は悪いけれども"降ってくる"ような感じ」と語る。彼の公益法人では、官庁を主な顧客として営業活動をおこなっている。さらにこの職員は、「天下った人が仕事を持ってくるというのは、これまでにもあったと思う。