

2007年6月8日
1ヶ月ほど前に政府主導で販売が始まった"バイオガソリン"が好調な売れ行きを見せている。ある大手元売の系列で、バイオガソリンを扱う7店舗の1ヶ月の販売量は、前年に比べ6%増となった(※12店中、販促等をしなかった7店の販売量)。
大豆やサトウキビなどの植物を原料とするバイオ燃料(バイオエタノール・バイオディーゼル・バイオガソリン)も、車を走らせればCO2を排出する。しかし、原料となる植物が成長する際にCO2を吸収するため、大気中のCO2の総量はプラスマイナス0になると考えられている。
一方で、日本がバイオ燃料の原料としている小麦が、意外なところにも影響をもたらしている。香川で59年続く讃岐うどんの名店が24年ぶりの値上げを強いられた。先月、小麦が25キロあたり60円値上がりし、その影響で24年間350円で出していたうどんが、先月から380円になったのだ。今回の小麦価格の上昇の大きな理由は、オーストラリアを襲った大干ばつだ。さらに植物から作られるバイオ燃料の需要の高まりが、穀物全体の価格を押し上げている。
世界的な広がりを見せるバイオ燃料ブーム。そのひとつ、バイオエタノールの最大輸出国・ブラジルでは、1975年に政府がバイオ燃料のエタノールを積極利用する政策を打ち出している。値段の安さもあり、普及率も上昇。現在、新車の5割がガソリンもエタノールも使える「フレックス車」になっている。その結果、原料になるサトウキビの生産に切り替える農家が急増した。しかし、それが新たな環境破壊の要因にもなっている。サトウキビ畑では、収穫の邪魔になる下草や葉を取り除くため、前夜に火を放つ。この焼畑でCO2が排出され、煙は森林に被害を与える酸性雨の原因にもなると言われている。ブラジルでは、去年1年間に東京都の2倍以上の面積が新たなサトウキビ畑に替わった。
バイオ燃料ブームが、森林破壊を加速させる恐れがある。
地球上にある森林の15%を占めるブラジル。"地球の肺"とも言われるアマゾンの熱帯雨林では、供給不足になっている大豆の畑を作るための焼畑が続いている。バイオディーゼルの原料となる大豆の価格は、去年に比べて40%も上昇。アマゾンでは今、大小さまざまな規模の農家が、大豆栽培のため違法に熱帯雨林を伐採しているという。