

2007年7月19日
今年も台風4号や新潟県中越沖地震で土砂災害が多発している。日本では、過去40年間に起きた自然災害による死者の4割が土砂災害によるものという統計がある。これから夏にかけて警戒が必要な土砂災害を徹底検証した。
鹿児島県・桜島は、地表を覆う火山灰の影響で、まとまった雨が降ると土石流の発生が危惧される場所のひとつである。桜島町にある野尻川では、現在、土石流の発生やその規模をキャッチするために川底から60センチ間隔でワイヤセンサーが張られ、24時間体制で監視されている。
この日、鹿児島地方には活発化した梅雨前線の影響で大雨洪水警報が発令され、時間雨量75ミリという豪雨を記録した。そして土石流が発生――土砂の流れは約3メートルの高さにまで達した。
過去20年間の土砂災害発生件数を5年ごとの平均値で見てみると、ここ5年間の発生件数は15年前の1.7倍にも及んでいる。砂防・地すべり技術センターの池谷浩理事長は「1時間に100ミリの雨が降る。それから経済発展や人口増加による開発が、どんどん自然現象が起こる場のほうへ広がっている」と語る。
去年は全国で1441件もの土砂災害が発生した。なかでも長野県岡谷市の湊地区は7月19日早朝、活発化した梅雨前線のために発生した土石流により7人の死者を出し、最も甚大な被害を受けた。
谷や渓流で土石流が発生し、崩れ落ちた岩や樹木でできた"天然のダム"がさらに降り続いた雨で決壊し、せき止められていた土砂が一気に押し流され、すべてを破壊していった。そのスピードは時速20キロから40キロとも言われている。
一瞬にして人命を奪い、すべてを飲み込む土砂災害・・・事前に知る術はあるのだろうか?
一般に斜面の崩壊は、降った雨が浸透して地下水が増えることによって起こるといわれている。水分を多く含むことで斜面の強度が低下し、土砂が下へと流される。このとき【斜面から水が噴出】【落石・小崩壊】【川の水・湧き水が濁る】などの現象が起こるといわれている。
こうした土砂災害が発生するのは、山間部だけではない。去年8月には東京・品川区でがけ崩れが発生した。台風の接近に伴う雨の影響で、高層ビルに囲まれた斜面の一角が崩れ、土砂が幅6メートルの道路を30メートルに渡って埋め尽くしたのだ。