

2007年8月23日
派遣会社大手のグッドウィルが、1回の勤務につき「データ整備費」として200円を徴収していた問題で、派遣労働者26人が今月23日に返金を求めて東京地裁に提訴した。グッドウィルは1995年の創業当時から「データ整備費」と称して、一勤務あたり200円を天引きしてきた。すでに2年分の返金を表明しているが、原告側は26人分の総額455万4600円全額の返金を求めている。200円の天引きは、元々保険に入れない派遣の現場で行われていた名残とされる。しかし、ケガをしても支払いを拒まれるばかりか、売り上げとして計上されていることもある。
原告の一人、田中良治さん・35歳(仮名)は、2004年からグッドウィルの日雇い派遣に登録。天引きされたデータ整備費は、約12万円だ。田中さんは「私の場合は、物を壊した場合の保険支払いのために200円を引くと聞いた。この業界は初めてなので、そういう風に引かれてしまうのかなと思った」という。
グッドウィルの日雇い派遣は、登録して予約すると仕事がメールなどに送られてくる。その内容は、作業時間や支払い給与、派遣先の住所などだ。
田中さんがグッドウィルから受け取った支払い内訳書を見ると、データ整備費の200円は同じ派遣先であっても、勤務するたびに差し引かれている。ある月、倉庫内の作業を朝から夜までやって日給は7000円前後。手取りは、約11万7000円だった。さらに派遣先への交通費は自腹で、田中さんは親との同居でやっと生活できている。月数千円のデータ整備費は貴重だ。「生活をどうやって切り詰めるか…。例えば仕事の予約をしていても、『明日の仕事はない』といわれたら、その時点で収入がないのと一緒なので、不安だらけ」と田中さんは語る。
働いても苦しい生活から抜け出せないワーキングプアは、なぜ生まれるのか―――。
グッドウィルへの集団提訴に加わる予定の渡邉文夫さん(56)。以前は郵便局員だった渡邉さんは、35年ローンを組んでマンションを手に入れた。しかし、郵政民営化が決まったときに郵便局を退職。外資系保険会社を経て、派遣で働くようになった。収入が激減して妻と娘が別居。貯金も尽き、マンションのローン返済も滞っている。仮にマンションを処分しても、ローンだけが残ってしまう状態だ。