

2007年9月11日
9.11同時多発テロから6年。ニューヨーク市警は今年、テロリストに関する報告書を発表。それは、あまりにも衝撃的なものだった。
ニューヨークから車で1時間半。ニュージャージー州で今年5月、イスラム教徒のグループがテロを計画した疑いで逮捕された。屋根修理の会社を経営していた旧ユーゴ出身の3兄弟と、パレスチナ系アメリカ人のタクシー運転手。男たちの標的は、イラクやアフガニスタンへ向かう部隊が訓練するフォートディクス陸軍基地だった。男たちは、ここで100人以上の兵士を殺害する予定だったという。
アメリカで生まれ育った容疑者たちが、どこで過激な思想に染まっていったのか―――。彼らとアルカイダなど国際テロ組織を直接つなぐものはない。
9.11以降、イスラム過激派のメッセージが全世界に向け次々に発信された。この時期、中東でインターネット環境が急速に発達した結果だった。アルカイダとは何の関係もない普通のイスラム教徒が、アメリカ国内にいながら、ネットを通じてその過激思想に共鳴する。基地襲撃を企てた男たちも例外ではなかった。
男たちの計画は、1本のビデオテープから発覚した。去年1月、男らが電気店にテープのダビングを依頼。その中には逮捕された男たちが、森の中で銃を撃ちながら「ジハード(聖戦)」と叫ぶ映像が含まれていたという。映像を見た店員が警察に通報し、そこから捜査が始まった。さらにパソコンには、アメリカ軍の車両が次々と爆破される映像が保存されていた。潜入捜査をしていたFBIによると、兵士の腕が吹き飛ばされた瞬間、彼らから笑い声が上がったという。
先月、ニューヨーク市警が「ホームグロウン(国産テロリストの脅威)」という衝撃的な報告書を発表した。この報告書では、国産テロリストの脅威を「アルカイダより深刻」だと位置づけている。また、4年前に設立された国土安全保障政策研究所でも「最大の脅威は国産テロリスト」だとみて、その危険性を議会に報告している。
ニューヨーク市警の報告書には、テロリストになりやすい人物像が個人を特定できるレベルまで具体的に絞り込まれている。
「イスラム教徒」「男性」「35歳未満」「高卒以上」「中流階級」「犯罪歴なし」
テロの脅威を国内に抱えながらも、他民族の共存を宿命とするアメリカ。