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2007年10月11日

飛散物で被害の連鎖〜"強風災害"の実態

飛散物で被害の連鎖〜"強風災害"の実態

今年8月末に発生した台風9号は、八丈島で最大瞬間風速47.7m/sを記録し、近年では最強クラスの勢力で首都圏に上陸した。その後、日本列島を縦断し、関東や北陸、東北地方に甚大な被害を与えた。
家屋や建造物の破壊…ライフラインや交通機関の麻痺…農作物や森林への被害―――。経済的にも大打撃を与える"風の脅威"を検証する。

今年の9月6日、中心気圧965ヘクトパスカル・最大風速35m/sの勢力を伴って伊豆半島に上陸した台風9号は、静岡県沼津市にある2階建てアパートのトタン屋根の半分を一気に吹き飛ばした。飛ばされた屋根は約30メートル離れた駐車場のフェンスを直撃し、中古車店の店先に落下した。
その日の沼津周辺の風速は最高でも14m/s。しかも周辺ではこのアパート以外、屋根の被害は受けていない。なぜ、この屋根は吹き飛ばされてしまったのか?

我々は専門家の協力で実際の1/12の住宅模型を造り、強風を再現できる実験施設を使ってそのメカニズムを分析した。
まず風の影響が出たのは瓦。風上の軒のほうから除々に動き、回転しながら飛散した。さらに速度を上げると風速16・62m/sで屋根が飛んだ。(※実物の飛散風速ではありません)
このとき、どんなことが起きていたのか―――。屋根が飛ぶ瞬間をハイスピードカメラで見てみると、軒先にぶつかった風が下から屋根を持ち上げる一方で、屋根の上を通った風は弧を描くように流れていく。このとき屋根を引っ張りあげる力が働いて、2つの作用により屋根が飛ばされたというのだ。国際風工学会会長で東京工芸大学の田村幸雄教授は「平均風速30m/sくらいのレベルから、大規模な建物被害は発生する」という。

風速30m/sで屋根は飛ぶ…。しかし、(独)建築研究所の奥田泰雄・上席研究員は「飛散物が窓ガラスなどに衝突して、風上から風が室内に吹き込む。それによって、低い風速でも屋根が吹き飛ぶ場合が考えられる」という。先ほどと同じ住宅模型に開口部分を作って実験を行ってみると、風速8m/sを超えたところで瓦が浮き上がり始め、8.87m/sで屋根が吹き飛んでしまった。(※実物の飛散風速ではありません)

では、どのような物が飛散物となるのか―――。
一般家庭の庭先などに置かれている物に風を当てて実験を行った。

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