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2007年10月26日

"流木"大量漂着の謎を追う

"流木"大量漂着の謎を追う

近年、台風や豪雨のたびに全国各地のダム湖に大量の流木が押し寄せる現象が相次いでいる。関東を直撃し、東北を縦断した台風9号が通過した翌日、東京湾には大量の流木が現れた。これらの流木は、どこから流れてきたのか―――。船に乗り、江戸川から利根川へとさかのぼってみた。すると、流木は利根川の上流から流れてきていることがわかった。

利根川水系の最上流に位置する群馬県南牧村。山にはたくさんの木が植えられているが、いたるところで山々が崩れている。流木の正体は、斜面に植林された杉の木だった。
南牧村の土砂災害を調査している群馬大学大学院の鵜飼恵三教授とともに、土砂崩れの現場で向かってみると、崩れた斜面の土砂はかなり柔らかく、弱かった。杉などの針葉樹は、広葉樹に比べると根が小さくて浅い。広葉樹は岩盤にまで根を張るために土砂崩れが起きにくいが、植林された杉の根は地表部分で止まっているため、崩れやすいと鵜飼教授はいう。
集中豪雨に耐え切れなかった南牧村の杉林・・・。崩壊した木は川に流れて流木となり、さらに橋をふさいで川が氾濫し、被害を拡大させる。鵜飼教授は「こういう地形や地質、杉が植えられている状況は日本全国にある。どこでも、台風9号の時のような大雨が降れば、同様の災害がこれまでも起こってきたし、これからも起こるだろう」と話す。

戦後、日本全国で木材需要が急増し、政府は『原生林を切って、杉・ヒノキを植林しよう』と、人工林の拡大を推奨。人々は山の頂上から谷底まで大規模な植林を行った。
かつて林業で栄えた南牧村は村の9割が森林に覆われているが、現在はその6割が人工林だ。しかし、林業の衰退とともに若者たちは村を去り、南牧村は"高齢化率日本一"の村となった。

村で最後の林業家である市川敬三さん(85)は、後継者がいないために4年前に引退した。「4〜5本売れば1ヶ月遊んで暮らせる時代に、みんな杉を植えた。そういう夢を持って植えた。ところが45年経ったら苗代にもならない」と市川さんはいう。
そんな市川さんは、荒廃が進む山を守るため、元林業家の仲間とともに山の手入れをしている。市川さんらが行っているのは"間伐(かんばつ)"というもの。密集して植えられたまま放置されている杉を間引き、木を健康な状態にする作業だ。

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