

2007年11月28日
日本のハイテク製品作りに欠かせないレアメタル。しかし、日本国内にはほとんど存在しない。レアメタルとは生産量が少なかったり、生産国が偏っている"希少金属"の総称。
例えば携帯電話・・・マナーモードの振動を作り出す「ネオジム」、電池には「コバルト」、液晶パネルには「インジウム」と、全部で10種類以上のレアメタルが使われている。
さらにレアメタルがなければ自動車も造れない。エンジン部分を削るためのドリルの刃は「タングステン」が材料だ。ダイヤモンドに次ぐ硬さで、ほとんどの金属を鋭く削り取ることができる。
このレアメタルをめぐる"獲得戦争"に迫る。
年商260億円を誇るレアメタル専門商社の社長・中村繁夫さん。この商社では、日本のタングステンの20%以上を扱っている。長年、中国からレアメタルを輸入してきたが、値段が高騰して仕入れに苦戦していた。「我々がいくら努力しても高値でしか買えない。中国には頭に来ているけど、他にないから仕方ない」と中村さんは語る。
この4年間でインジウムは3倍。タングステンは5倍に値段が跳ね上がった。中村さんは「タングステン資源の枯渇や供給不足は、中国の政策によって作られていると理解せざるを得ない」という。
中国は2年前からレアメタルの政策を180度転換して、輸出を制限し、囲い込みを始めた。レアメタルを中国国内で消費するようになったのだ。
大型の家電量販店「国美電器」は、中国全土に1000店舗以上を展開。最新モデルの電化製品が並び、日本の量販店と変わらない品揃えだ。最近は外国製より中国製が人気で、46インチの大型液晶テレビをわずか19万円で売り出したところ、大ヒットとなった。
人口13億人の中国。消費大国になった今、レアメタルが大量に必要なのだ。
中国からの原料輸入に限界を感じたレアメタル商社の中村さんは、鉱山そのものを押さえることにした。「現場・現物・現実で考えた場合、ロシアはビジネスパートナーとして、今後の可能性はナンバーワン」と中村さんはいう。狙いはロシアの極東にあるプリモルスク鉱山だ。まだ2割が未開発で、数億トンのタングステンが眠っているとみられる。
鉱山会社との商談が始まった。