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2007年11月29日

忍び寄る"H5N1"の脅威

忍び寄る"H5N1"の脅威

致死率60%・・・鳥インフルエンザによる死者は、全世界で200人を超えた。それが、人から人へ感染する新型インフルエンザに変わると、わずか数日で世界的な大流行を巻き起こす。そんな中、インドネシアのある村で"人から人への感染疑惑"が浮上した。その真相に迫る。

インドネシア第三の都市・メダン市からわずか80キロのところに、その村はあった。鳥から人へ感染した鳥インフルエンザの死者が100人に迫ろうとしているインドネシアで、この村では"ある親族"だけ7人が集団感染し、うち6人が死亡するという事態が起きた。一人の発病者をきっかけに、近所に住んでいた親族4家族に次々と感染が広がったというのだ。最初に亡くなったのは40歳の女性。彼女は去年4月に原因不明のまま高熱を発し、わずか数日で息を引き取った。その直後、看病などでこの女性と接触があった親族7人が次々と発症。彼らに一体何が起きたのか?

我々は発病しながらも、たった一人生き残った人物を訪ねた。ジョネスさん(26)は現在、周囲の目に耐え切れず、自宅を出て母親の実家に家族とともに身を寄せている。ジョネスさんは「(最初に発病した姉を)埋葬したら私も発熱した。村で治療を受けたが何日も熱が下がらず、咳が出て下痢もした。兄や姉らも次々と同じ症状になった」という。
ジョネスさんら7人の親族は、原因もわからないままメダンの病院へ入院する。彼ら7人が入れられた病室は、他の患者とは隔離されていたものの、敷居やカーテンのない部屋だった。そこでジョネスさんはわずか1週間のうちに親族6人が次々と亡くなるのを目の当たりにする。

医師は、ジョネスさんらの体を調べた結果、ひとつの結論にたどり着いた。治療にあたった医師は「その時、入院した患者は、確実に鳥インフルエンザだった。死亡した患者のレントゲンを見ると、肺が完全に破壊されていた。(ウイルスは)主に肺を襲い、他の器官の粘膜を奪う」と語る。7人は鳥インフルエンザに冒されていたのだ。しかし、全員がほぼ同時期に鳥から感染したというのか?

国立感染症研究所の田代眞人部長は「偶発的にだが、鳥から人へ感染する可能性がある。それが続いて何度も感染が繰り返されると、遺伝子の突然変異が蓄積して、人から人へ効率よく感染が広がるような新型インフルエンザになる可能性がある」という。

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