895 | 896 | 897 | 898 | 899 | 900 | 901 | 902 | 903 | 904 |

2007年12月4日

給油支援にも利権の影〜A社、B社をめぐるナゾ

給油支援にも利権の影〜A社、B社をめぐるナゾ

防衛調達に厳しい眼差しが向けられる中、インド洋での給油支援活動に新たな疑問が浮上している。海上自衛隊が提供している燃料は、日本の2つの商社が調達している。しかし政府は、商社の名前については「企業の正当な利益を害する。明らかにすることによって(両社が)テロの標的になる」として、公表を拒み続けている。政府が"A社""B社"とする謎の商社―――。しかも、この2社との間で延々と"随意契約"が繰り返されていた。

海上自衛隊はこの6年間で、約49万キロリットル・総額221億円分の燃料をアメリカ軍などに無償で提供してきた。最近になるまで公にされなかったが、この燃料は『F76』という。政府高官は当初、自衛隊にしか供給できない"特別な油"だと強調していた。
しかし、艦船用燃料に詳しいペンシルベニア州立大学のチュンシャン・ソン博士は「F76というのは、NATO(北大西洋条約機構)における名称に過ぎない。F76の仕様さえわかっていれば、石油会社であれば間違いなく生産することができる」という。実際に、アメリカ国防総省では燃料など物資の調達を担う専門機関が、世界各地で『F76』を調達していて、日本でもこれとほぼ同じ規格の燃料が民間の石油会社で作られている。

日本は『F76』をどこから、そして一体いくらで調達してきたのか?
過去6年間の調達実績によると、"指名競争入札"が行われたのは、わずか2回。その後はすべて"随意契約"となっていて、A社・B社だけとの契約が更新されてきた。防衛省は、この商社が中東にある石油会社から仕入れていたことまでは認めているが、商社の名前については公表を拒んでいる。我々は防衛省と取引関係にある企業に問い合わせたが、両社に該当するという回答はなかった。

ベールに包まれた商社の実態―――。しかし、その利益は驚くべきものだった。
防衛省によると、2005年度のB社の仕入れ価格は15億8400万円(試算値)で、それを17億5200万円で防衛省に納入。その差額は1億6800万円にのぼる。この3年間だけで、両社は5億6000万円もの利益をあげたことになる。
防衛調達に詳しい一橋大学の西口敏宏教授は「一般の装備品に比べて、常識的に考えれば、油は一般競争入札形式に最もなじむ商品。

  • 1
  • 2
895 | 896 | 897 | 898 | 899 | 900 | 901 | 902 | 903 | 904 |