

2007年12月7日
今月6日、ブッシュ政権は低所得者向けの住宅ローン「サブプライムローン」の借り手を対象に、今後5年間、金利を低いまま据え置く救済策を発表した。これでアメリカでは当面、100万人が住宅の差し押さえや滞納を免れるという。日米の株式市場も、この対策を受けて上昇した。
なぜブッシュ大統領は、この時期に対策を打ち出したのか?
実は、サブプライムローン問題でアメリカの住宅価格は調査開始以来、最大の下落幅を記録。このことがGDP(国内総生産)の7割を占める個人消費に影を落とし始めたからだ。
感謝祭明けのクリスマス商戦の初日。ここから始まる5週間は、アメリカ人が1年で最もお金を使う季節だ。今後のアメリカ経済を占う試金石とされたが、実は消費者の出足は今年も好調だった。記録的なドル安の恩恵を受けたヨーロッパ人旅行者という援軍も現れた。
「どんな逆風の中でもアメリカ人はクリスマスには買い物をする」
そんな景気への楽観論も出始めた矢先、冷や水を浴びせる統計が発表された。2週目に入ったクリスマス商戦の売り上げが、前年比で4.4%も落ち込んだのだ。郊外の住宅地にあるショッピングモールの中には、客足が遠のき、空き店舗が目立つところも出てきている。
住宅市場が過熱したカリフォルニア州・ロサンゼルス周辺では、サブプライムローンを扱う業者で倒産や大規模なリストラが相次いだ。
ロクサン・ボーンズさんは、今年5月に解雇されるまで、金融会社でサブプライムローンを販売するのが仕事だった。しかし、融資の実態はずさんそのものだったとボーンズさんは言う。会社の言うがまま、次々に顧客に貸し込んでいた。住宅価格が上がれば、購入させた持ち家を担保に、さらに貸し付けた。「住宅価格が上がり続け、担保価値も上がった。借り手は何度も何度も融資を受けることができた。同じ住宅を担保に1年で4度も融資を受けた人もいた」とボーンズさんは語る。
こうした貸し付けは『ホームエクイティ・ローン』と呼ばれる。住宅価格からローン残高を差し引いた差額を担保に融資が受けられるのが特徴だ。住宅価格が上がれば、その差額が膨らみ、より多くの資金を借りることができる。数百万円単位のまとまった金が入った借り手は、自動車や薄型テレビなど高額な商品を買い捲った。