

2007年12月7日
今年6月、北朝鮮・東部の山間部で花畑が撮影された。美しい白い花が一面に広がる畑…。しかし、この花はアヘンやヘロインの原料となるケシの花だ。2日で散ってしまうため、これまで、なかなかその姿をとらえることができなかった。
6月といえば、核施設の停止封印の早期実施を求めてアメリカのヒル国務次官補が電撃訪朝した時期と重なる。北朝鮮の麻薬生産には、軍の組織的関与が指摘されてきた。テロ支援国家の指定解除は秒読み段階だが、今年になって米朝の対話が進む中でもケシの栽培は続けられていたのだ。
危険を覚悟でカメラを案内するのは、北朝鮮の現役軍人だ。彼は30町歩(29万7510)、つまり東京ドーム6個分を超える広さのケシ畑を軍隊が直接管理していると語った。花が咲いた後にできる"ケシボウズ"と呼ばれる実の部分から、アヘンやヘロインを作る。さらに、この現役軍人は「軍隊と大学生をみな動員させる。8月いっぱいまで収穫し、日本と南朝鮮(韓国)へ輸出する」と教えてくれた。
この映像が撮影されたのは、北朝鮮東部の咸鏡南道(ハンギョンナムド)端川(タンチョン)付近の山間部とみられる。そこから10キロほどの距離にある利原(イウォン)基地で勤務していたという元軍人に映像を見せた。彼は「北朝鮮で"白トラジ(桔梗)"と呼ばれるアヘンだ。"楊貴妃"とも呼ばれる。我々空軍では5町歩ほどケシの栽培をしたし、すべての飛行場でやった。1994年からすべての軍部隊に栽培の指示が下され、それで各部隊が所有する大豆畑やトウモロコシ畑に"白トラジ"を植えて、数年かけて事業を進めたのだ」と語る。
ケシの花が咲くのは6月下旬から7月にかけてで、この映像が撮影された時期と符号する。
そして、この元軍人は収穫方法も教えてくれた。作業は2人1組で行い、まず1人目が実をナイフで傷つけ、2人目が傷口から出た乳液状の液をかき集めるのだという。こうして集めた液体を乾燥させると、黒い粘土状の固形物になり、それがアヘンとなる。
しかし、今回撮影できたケシ畑は、満開の時期にも関わらず育ちが悪く、花が咲いていない状態のものもあった。軍の規律が緩みつつあるということなのか・・・。先ほどの元軍人は映像を見てこう語る。「(花が)欠けたものも多い。種まきからして、管理がちゃんとできていないからだ。