

2008年1月14日
北朝鮮との国境にある街、中国の丹東。ここは、中国と北朝鮮の物流の拠点であると同時に、偽ドル紙幣や麻薬などの密輸も横行し、周辺国の取り締まりが厳しくなっている。中国は去年、北朝鮮からの密輸を防ぐため、国境に高さ2メートルの鉄条網を設置した。しかし、そんな中で新たな資金源として浮上してきたものがある。
丹東の雑貨屋に入り、「北朝鮮のたばこはあるか?」と聞くと、店主は棚の奥から日本のたばこであるセブンスターを出してきた。さらに他の店でも同様に・・・。隠して売っているのは、それが"密輸品"だからだ。次々と出てくる北朝鮮製のたばこの中には、アメリカの銘柄まであった。
偽のたばこが出回っているのは、国境付近だけではない。遼寧省の省都・瀋陽には、中国最大のコリアンタウンがある。ここの雑貨店でも、店員が店の外から日本のたばこであるマイルドセブンを持ってきた。店主は「北朝鮮のたばこでは、これ(マイルドセブン)が一番早く売れる」という。日本のたばこ2種類とアメリカのたばこは、市価の6〜7割で売られていた。いずれも北朝鮮で製造されたという。
3年前に韓国へやってきたという脱北者がいる。彼は朝鮮人民軍の元軍人で、外貨稼ぎを担当していた。この元軍人は「外国のたばこを作っているのは、平壌市龍城区域にある『龍城たばこ工場』だ。朝鮮労働党が管理している」と話す。しかし、北朝鮮では国家統制がマヒし、住民までが偽たばこ作りに乗り出している。
北朝鮮の日本海に面した港湾都市・清津にある民家にカメラが入った。この家には、たばこを作る材料と機械が一通り揃っていて、箱につめる前の様々な種類のたばこが、大量にあった。たばこの葉は北朝鮮産、箱は中国で印刷された紙を北朝鮮に持ち込んで組み立てる。家の主人が作業を始め、出来上がったのはマイルドセブンだが、すでに製造が終了しているふるいデザインのものだった。
この家で作られた偽のマイルドセブンを、製造元の日本たばこ産業で見てもらった。すると、フィルター部分が明らかに異なっているという。正規品は活性炭を添加しているチャコールフィルターと通常のフィルターの二重構造になっているが、北朝鮮産のマイルドセブンには活性炭が入っていない。