

2008年2月13日
2月12日、アメリカに大きな衝撃が走った。GM=ゼネラル・モーターズが7万4000人を対象に大規模なリストラを発表した。去年の業績が、過去最大となる4兆円の大赤字となったためだ。アメリカ最大の自動車会社を追い込んだのは、日増しに深刻化する「サブプライム問題」だ。
サブプライム問題は産業界だけではなく、個人消費にまではっきりと現れてきた。1年で最も盛り上がる年末商戦だが、去年は12月の売り上げが11月を下回る異例の事態となった。アメリカを代表する百貨店のメーシーズも全米で2500人以上のリストラを発表した。
そして、サブプライム問題は新たな局面を迎えている―――。
スーパーチューズデーを控えて、妻・ヒラリー候補の応援に奔走していたビル・クリントン前大統領は、サンフランシスコ郊外の町、ストックトンに足を運んだ。ここは『サブプライム問題の震源地』と名指しされる町だ。
ストックトンはここ数年、新築住宅の建設ラッシュだった。メキシコから来た移民などのヒスパニック系住民が多く住んでいる。安易な条件で組んだローンが払えなくなり、差し押さえられた住宅の割合が全米トップとなった。
この町の一角にはNGO団体の無料食料配給所があり、いつも行列ができている。サブプライム問題が表面化してから訪れる人が急増し、いまや200人を超える日も珍しくない。
ここに並んでいるのは、仕事や家を失った人たちだ。
ヒスパニック系移民のシザー・エルナンデスさん(41)も、最近になってここを利用し始めた失業者だ。19年前にアメリカに移住し、6700ドル(約716万円)で買った平屋建て2LDKの家で妻と3人の娘と暮らしている。家は近隣では平均的な建物だ。2年前に借り入れて膨らんだローンは、日本円で月々15万円ほど。エルナンデスさんは月給25万円で住宅の屋根用の資材を作る工場に勤めていた。これまで返済に問題はなかったという。「失業したのは住宅建設の量が減ったからです。建設するものがなくなったから、屋根用資材の販売もなくなってしまう」とエルナンデスさんは話す。彼は、5カ月前に突然解雇されたという。このとき、会社は150人を一度に解雇した。1カ月に12万円ほどの失業保険がでるが、それではローンの支払い額に満たない。