

2008年3月6日
先月9日、北海道滝川市の夫婦が、介護タクシー代を不正に受給していたとして、詐欺の疑いで再逮捕された。暴力団員の片倉勝彦被告(42)とその妻・ひとみ被告(37)は、生活保護者の通院費は全額支給されるという制度を悪用し、わずか1年8カ月の間に2億5500万円もの金を騙し取っていたのだ。
片倉夫妻は医者を恫喝し、「札幌の病院まで寝台付き介護タクシーで行く必要がある」という診断書を手に入れ、市役所に提出した。自宅がある滝川市から札幌の病院まで、一往復あたり25万円を請求していた。
我々は、片倉夫妻が使っていたのとほぼ同じタイプの介護タクシーに乗り、実際にどれくらいの料金がかかるのか検証してみた。滝川市から札幌までの距離は約85キロ。途中に大きな病院がある町をいくつも通り過ぎ、車は1時間半ほどで札幌の病院に到着した。料金は往復で約10万円だった。
今回、片倉夫妻と共に札幌の介護タクシー会社の役員ら2人も逮捕・起訴された。そもそも、3年前に会社の広告を見た片倉被告が通院費の詐欺を持ちかけたのが始まりだった。片倉被告が利用した介護タクシーのドライバーは「片倉被告から『俺のおかげで売り上げがあがるんだから、少しバックはないのか?』という話が来た。最初は1〜2割だったが、最終的には半分くれといわれた」と話す。
介護タクシー会社は毎週、滝川市長宛てに200万〜300万円を請求。片倉夫妻には、タクシー会社から直接現金が手渡され、その額は1年間で約7500万円にも及んだ。
片倉夫妻は、生活保護費を受け取りながら、騙し取った金で外車などを13台、高級腕時計や貴金属などを買い漁った。しかも、片倉夫妻は滝川市にほとんど住んでいなかった。不正受給した金で札幌のすすきのなどにマンションを借り、覚せい剤を使用したり、飲み屋に足しげく通っていたという。知人は「高級酒のボトルを入れたり、カラオケに行くと1曲歌うごとに1万円を配っていた。暴力団の人を連れて来て、金を渡しているのを見たこともある」と話す。片倉夫妻は暴力団に上納金を支払う一方で、覚せい剤を購入するなど、多額の生活保護費を"闇の世界"に流していた。
生活保護費は国が4分の3、地方自治体が4分の1を負担する仕組みだ。滝川市の年間予算は約200億円。