

2008年3月5日
ハイテク製品を作るのに欠かせない「レアメタル」。地球上で存在する量が少なかったり、採掘するのが難しい金属だ。その産地は中国やアフリカに集中しているため、需要がひっ迫し、世界中で争奪戦が起きている。このレアメタルを中国が独占し始めたのだ。
日本で廃棄される電子機器に含まれるレアメタルの量は、世界有数の資源国に匹敵するといわれる。これを"都市鉱山"と呼ぶ。日本が今、最も注目する魅力的な鉱脈だ。日本の"都市鉱山"事情に迫る。
レアメタルを20種類以上も使っているのが携帯電話機だ。携帯電話の市場では毎年、約200種類ものモデルが生み出されるが、出荷量に比べて使用済み携帯電話の回収量は下がる一方だ。その理由は「コレクション」「思い出として保存」など様々…。
販売店は個人情報を守るため、携帯を回収する際にパンチで穴を開け、電源を入らなくしている。
携帯電話1台1台に含まれる金属を取り出す技術は、日本がトップクラスだ。
NTTドコモが関東・甲信越で回収した携帯電話は、福井県のリサイクル工場に運ばれる。携帯電話を焼却すると、プラスチックが溶けて基板だけが残る。その基板を世界最大級の銅の精錬工場がある大分県へと運ぶ。基盤は1100度の熱で溶かされ、溶液となる。この99.5%は銅だが、残り0.5%は金だ。携帯電話28万台から1本10の金塊(約3000万円)ができる。
しかし、この方法では携帯電話から金以外はほとんど回収できない。そこで、新たなレアメタルを取り出す技術に挑戦した企業がある。TMCの田中一誠社長が目をつけたのは、中国の工場から出た携帯電話電池の規格外商品(不良品)だ。レアメタルの輸出制限をする中国からスクラップとして電池を輸入。日本国内の回収量とあわせて採算がとれる量を確保した。まさに"中国の裏をかく"秘策に出た。
富山県射水市には、日本で唯一のコバルト・リサイクル工場がある。ここTMCエムアールは、携帯電話の電池からコバルトを取り出す独自の技術を生み出した。コバルトは鉱山なら1t中に1しか含まれていないが、電池をリサイクルすれば1tから200も取り出せる。
まず電池を硫酸で溶かし、そこにある液体を入れると、鮮やかなコバルトブルーになる。この液体こそが"魔法の薬品"で、企業秘密だという。