855 | 856 | 857 | 858 | 859 | 860 | 861 | 862 | 863 | 864 |

2008年4月8日

「排出量取引の中央銀行へ」〜CO2に透ける"欧州の野心"

「排出量取引の中央銀行へ」〜CO2に透ける"欧州の野心"

先月、デンマークの首都・コペンハーゲンで、排出量取引に関するビジネスイベント「第5回カーボン・マーケット・インサイト」が開かれた。5年前までは100人ほどしか集まらなかったが、今年は世界70カ国から1600人が参加し、巨大なイベントに発展している。イベントを主催したポイントカーボン社のペル・オット・ヴォルCEOは
「ヨーロッパの政治家や欧州委員会の声明にもあるとおり、EUが環境経済を発展させることで世界をリードしたいと考えているのは明らかだ」と語る。

京都議定書で、国ごとに定められたCO2の削減数値目標。(EU…マイナス8%、アメリカ…マイナス7%、日本…マイナス6%)それぞれの企業は国から定められた排出枠を基準として、余った分と足りない分を売買し、国の目標を達成すべく、取引ビジネスを行っている。EUを中心した排出量取引の市場規模は630億ユーロ(約10兆円)で、世界の薄型パネルなどのディスプレー市場に匹敵する規模に膨れ上がる勢いだ。(2008年見込み)

ここにきて、日本から商談の機会を得ようと、独自に参加する者も出てきた。三井住友銀行・環境ソリューション室の中塚裕己・上席室長代理は「(日欧の)格差はある。マーケットが今は日本にない。これから日本政府が作っていくこと。我々もそれに協力して早くこうした状況に追いつかないといけない。こうした排出量取引のイベントが日本で行われるようにならないと、情報が入ってこない」と語る。

世界初の巨大な排出量取引市場はEUで2005年に始まった。EU全体では、京都議定書による排出削減の義務期間に入る今年までに、すでに削減数値目標を達成。洞爺湖サミットへ向けて、排出量取引の整備を急ぐ日本をよそに、EUの排出量取引ビジネスは急激に成長を遂げている。

「カーボン・マーケット・インサイト」の会場に、UNFCCC(国連の気候変動枠組条約)のイボ・デ・ブア事務局長が姿を現した。この人物こそ、日本のあいまいな態度が手厳しく批判された国際会議「COP13」の最重要人物だ。デ・ブア氏は「京都議定書によって生まれた排出量取引市場は、活況を呈している。実業界の皆さんの関与は、これまで以上に重要なものになってくる」とスピーチした。

855 | 856 | 857 | 858 | 859 | 860 | 861 | 862 | 863 | 864 |