

2008年4月11日
下北半島の付け根に位置する青森県・六ヶ所村。かつて農業と漁業が中心だったこの村は今、一大エネルギー拠点へと変貌を遂げている。中でも中核となるのが、日本原燃が運営する再処理工場だ。ここは全国の原発から使い終わった核燃料が運び込まれる―――。
再処理工場ではすでに試運転が始まり、全国55カ所の原発からおびただしい量の使用済み核燃料が運び込まれていた。その数は1万を超え、放射線を遮るためにプールの水底に沈められている。再処理工場では、この使用済み核燃料を3〜4センチに細かく切断する。これを溶かして燃え残ったウランのほか、新たに生成したプルトニウムを分離。原発の燃料に再利用する原料を作るのだ。
六ヶ所村に集められるのは、使用済み核燃料だけではない。放射性廃棄物の埋設センターには、高さ約10メートルもある巨大なコンクリートの塊が無数に立ち並ぶ。各地の原発で使われたフィルターや作業着など放射性廃棄物に汚染されたものがドラム缶に入れられ、このコンクリートの中に封印されているのだ。放射能が安全上問題のないレベルに下がるまで、約300年の間ここで管理するという。現在、その量はドラム缶20万本にも及ぶ。
また、再処理で生まれる"究極の核のゴミ"も、この施設内に一時貯蔵されている。高レベル放射性廃棄物は、プルトニウムを取り出すときにできる極めて強い放射能を持つ物質で、中には半減期が200万年を超えるものもある。人間の生活環境から数万年以上隔離して監視する必要があるというが、高レベル放射性廃棄物の最終処分地はいまだ候補地すら決まっていない。
核燃料の切断で発生する放射性物質のうち、トリチウムやクリプトン85などがフィルターで取り除けず、自然界にばら撒かれる。高さ150メートルの巨大排気筒が空に吐き出す放射性物質は、1日で原子力発電所の1年分に相当する。再処理工場に併設された環境管理センターでは、周辺の放射線量など安全に関するデータを集約している。
環境部門のトップである瀧田昭久センター長は「施設からの放出回数も増えているので、施設周辺では最近になってトリチウムが見つかり始めた」と明かすが、「放射性物質は勢いよく放出するので、拡散して影響はない。地元住民の被爆量は法律の範囲内」だと主張する。