

2008年5月5日
原油高の影響で、航空機の国内線普通運賃は平均で9%も値上げされた。しかし、運賃には「航空機燃料税」という"知られざる税金"が含まれている。税率は1リットル当たり26円で、航空機燃料への課税は世界的にも珍しく、同じ仕組みを持つアメリカと比べても、日本の水準は20倍と著しく高い。
毎年1000億円前後にもなる「航空機燃料税」は、空港使用料などと一緒に空港整備特別会計に入る。一体、何に使われてきたのか―――。
羽田、成田に続く首都圏3番目の空港建設が、現在進められている。航空自衛隊・百里基地の中に新たに滑走路を作ってできる茨城空港の建設費は約250億円で、2010年の開港を目指している。
「航空機燃料税」は、ほぼ全額がこうした空港整備に回される。茨城空港建設の根拠は、開港初年度に80万人が利用するとの茨城県が打ち出した需要予測だ。県内の主要都市からは、車を使えばほぼ1時間以内でアクセスできるという。しかし、県庁所在地の水戸からは、羽田空港までバスや鉄道を利用すれば、最短で2時間で行くことが可能だ。
本当に80万人も利用するのか?
肝心の国内の航空会社は、採算性を危ぶみ乗り入れに難色を示しているという。このため、開港まで2年を切った現在でも、国内線の就航が1路線も決まらないという異常事態を招いている。
そこで茨城県が目をつけたのが、「LCC=ローコスト・キャリア」と呼ばれる海外の格安航空会社だ。LCCは、機内食を有料にするなどコストを徹底して削減し、そのぶん安さを武器にアジアなどで急成長を遂げた。その一方で、経営基盤が脆弱で、燃料高騰のあおりを受けて経営破たんも相次いでいる。茨城県の橋本昌知事は「採算がどうなるかよりも、どうやって活用するかを中心に考えている。間違いなく5年か10年以内に、この空港は相当な利用客を見込めると思う」という。
しかし、甘い見通しで空港を建設するとどうなるか―――。
おととし、265億円をかけて2000メートルの滑走路が完成した隠岐空港。1500メートルの滑走路がありながら、その隣に新たに滑走路を建設したのは、ジェット機が着陸できるようにするためだ。1年を通してジェット機が運航されるはずだったが、実際にジェット機が飛んだのは初年度はわずかに57日で、2年目は49日だった。