

2008年5月9日
故人の人生を振り返りながら、その死を悼むシリーズ企画。
今回は今年1月、2月に亡くなった方々。
元プロ野球選手・加藤博一さん(1月21日死去・肺がん・享年56)
俊足、巧打の外野手として阪神、大洋(現横浜)でプレー。高木豊、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」の一員として活躍した。現役引退後は、野球解説のみならず、明るいキャラクターでタレントとしても人気があった。
加藤さんのプロ野球人生は、昭和45年、テスト生(西鉄)としてスタート。
1年目の年俸はわずか60万円(当時、一般の平均年収が約100万円)。
バットやグローブも自費の2軍生活が続き、シーズンオフにはアルバイトで生活を支えた。
目指すは、夢の"1000万円プレーヤー"。
昭和51年、阪神に移籍。54年には"江川キラー"として売り出した。翌55年、打率ベストテンの5位になり、プロ入り10年でついに1000万円プレーヤーの仲間入り。
私生活では2人の息子にも恵まれ、子煩悩だった加藤さん。
「昔、ガチャガチャが流行ったときに『箱ごと買ってこい』と言う人だった。それをやってあげられるだけになった、ということに自分で満足していた」と妻の晴代さん。
引退後は忙しい仕事の合間を縫って、野球教室を始めた。
一昨年12月、肺にがんが見つかり左肺全摘出。
手術後は仕事に復帰、野球教室も続けていたが、去年6月がんが転移。余命1年の告知を受けた。11月には医者から「もう長くない」と言われ、自宅療養を続けていた。
今年4月12日、横浜対阪神の試合前、追悼セレモニーが行われた。
そこに響き渡ったのは、両チームの応援団から送られた懐かしい声援だった。
「かっ飛ばせ!加藤」「かっ飛ばせ!ひろかず」
チェス元世界王者・ボビー・フィッシャーさん(1月17日死去・腎不全・享年64)
「勝つために攻めるのさ」
1972年の世界選手権で王座を奪取。
レベルが上がるほど引き分けが多くなるといわれるチェスの世界で、常に勝ちにこだわるスタイルがファンを魅了。駒を捨てながら攻め込むその創造力豊かな攻撃は、"天才"の名にふさわしいものだった。
チェスにも詳しい棋士の羽生善治さんは「彼はチェスの世界のモーツァルト」だと語る。