

2008年6月3日
今年4月以降、東日本では初めて、秋田や青森、北海道で白鳥が「H5N1型鳥インフルエンザ」に感染し、死亡しているのが見つかった。国や県は鳥類の異常を調査し、周辺の養鶏場の徹底消毒を行った。こうした対応には理由がある。国立感染症研究所・ウイルス第三部の田代眞人部長は「ウイルスが広がる増殖する回数に応じて、突然変異が蓄積していく。いつか必ず、人型に変化するために必要な突然変異が揃う可能性がある」という。
「鳥インフルエンザ」は強毒性のウイルスで、鳥から人へ感染した事例は世界15カ国383人に上る(5月28日現在・WHO調べ)。ウイルスが変異して人から人へ効率よく感染が広がる「新型インフルエンザ」になると、世界的大流行を巻き起こす。
一方、『地球温暖化の影響で、新種の感染症の流行が加速する』という研究が発表された。コロンビア大学・国際地球科学情報ネットワークのマーク・リビー副所長は、1940年以降、判明した感染症を地図で示したところ、SARSやエイズなどの新しい感染症が4倍に増えたという。「(地球温暖化で)結果的に野生動物の生息域が移動し、同時に海面上昇や農地の変化で"ヒト"も移動する可能性がある。新たな動物と"ヒト"が接近することで、(病気が)広がるリスクが高まる」とリビー副所長は語る。
高まるリスクにどう対処するのか―――。
インフルエンザ研究の世界的権威であるWHOインフルエンザ・エコロジーセンターのロバート・ウェブスター所長は、こう指摘する。「このウイルスは世界に存在する限り、脅威であり続ける。当局が手持ちのワクチンで最善の対処が出来るようにするのがベストなのだ」と。
アメリカの首都ワシントンから車で2時間・・・バージニア州リッチモンドにある巨大スーパーマーケットには、予防接種を売りにしている店がある。店内に医師はおらず、看護師やワクチンを打つ資格を持つ店員が簡単な問診をして注射を打つ。販売されるワクチンは破傷風や黄熱病など、常時20種類以上が取り揃えられている。このようなサービスはスーパーに限らず全米で展開されている。