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2008年7月28日

北京五輪前に独自取材〜チベットにみる「格差」の実態

北京五輪前に独自取材〜チベットにみる「格差」の実態

3月、チベット自治区・ラサで暴動が起きた。中国政府に対する僧侶や市民の抗議行動が激化。多くの商店や車に火が放たれ、鎮圧にあたる武装警察と衝突した。
あれから4カ月―――。日本のメディアとして初めて、ANN記者に単独取材が許された。

現地へ入ると、街のいたるところで武装警官を目にした。さらに防犯カメラもやたらと多い。市内に住む人によると、暴動後、チベット族が大勢集まる市場などに多数の防犯カメラが設置され、人々は常に監視されているという。そして我々の取材も中国政府から派遣された監視役の同行が条件だ。

暴動後、一変してラサ市内から僧侶の姿が消えたという。確かに取材班が街を周回しても、その姿はない。そして暴動の爪あとは、直されることもなくそのまま残されている。

暴動の背景には何があるのか?その要因のひとつとされるのが、拡大する"経済格差"だ。
経済発展の明暗を分けることになった「青蔵鉄道」は、チベット自治区と青海省を結んでいる。おととしの開通以来、多くの人をラサに呼び寄せた。去年のピーク時には、1日4000人もの人が訪れたという。
中国のチベットに対する政策は、この鉄道建設に象徴されるような社会開発などに重点を置いている。チベット自治区の総生産は、ここ5年間で倍増した。しかし、その恩恵を得るのは主に漢民族だという。

漢民族とチベット族、その民族間の格差だけではない。チベット族の中でも格差は広がりつつある。
ポタラ宮殿を望む一等地に大豪邸を構えるチベット族のダワトンドュさんは、成功者の一人だ。かつて、アメリカの経済誌「フォーブス」の表紙を飾ったこともある。クルミから取れるオイルの食品加工で財産を築き、いまやチベットではその名を知らぬものはいないという一流企業の社長となった。「私の成功は、チベットの経済成長を代表するものだと思う。中国の良い政策と、チベットの良い環境が今の成功をもたらしたのだ」と語るダワトンドュさん。中国政府のチベット政策によって成功したと強調するが、彼を取材相手に選んだのは中国政府からの監視役だ。


ある日、取材班はラサから約260kmほど行ったところにあるチベット第2の都市・シガツェ郊外の農家に案内された。
チェチンさん(56)は、29歳の娘と娘婿、孫2人の5人で暮らしている。

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